あなたside
硝子さん達に散々揶揄われた後、夏油さんが任務だということで解散し、各自部屋へと戻っていた
すっかり暗くなり、時計の針も午後21時を指そうとしていた時
そろそろ寝ようかと思ったけれど、寝る気になれず少し外を散歩することにした
部屋着から外出できる格好に着替え、寮の外に出る
空を見上げてみると満点の星空で、とても美しかった
五条さんと歩いた道を思い出しながら進んでみる
すると広い場所に出る事が出来た
高台にある柵に行き、柵に少し持たれるような形で体重を預けながら空を見上げる
星に見とれていると、背後に誰かの気配がして目を塞がれた
気配を探って答えると、目を塞いでいた手が離れ、代わりに抱き寄せられた
そう答えると五条さんは笑いながら私の隣に立った
少しの間、沈黙が流れる
その間私も五条さんも星に見とれていた
星座を探していると横から視線を感じ、五条さんの方を見てみると五条さんが私を見つめていた
何かあったのだろうか
そう思っていると五条さんが口を開いた
そう言って五条さんは私の腰を抱き寄せた
流れに身を任せて五条さんの肩に頭を預けてみる
顔色を伺うように五条さんの顔を見上げると、とても愛おしいものを見るかのような目を向けてくれていた
五条さんが私の手を取り跪く
これから何を言われるか、それが分からないほど私は鈍くはない
手の甲にキスをされて言われた言葉
それは今まで言われた中でも1番嬉しい言葉だった
返事をすると五条さん…悟さんはとても嬉しそうな顔をして私を抱き上げた
びっくりして落ちそうになったけれど、悟さんが支えてくれたおかげで何とか落ちずに済んだ
悟さんの肩に手をおき悟さんを見つめる
空のように美しい青い瞳
澄んだ青い宝石のようなその瞳を持つこの人は、いつだって私のそばにいてくれた
私は悟さんに隠し事をしている
悟さんにも危険が及ぶかもしれない隠し事を
もう少し、この人のそばに居させて欲しい
不思議そうに私の名を呼ぶ悟さんに微笑みながら言う
月明かりが照らす中、2つの影が重なる
空には2人を祝福するかのように、とても美しい星々と満月が浮かび上がっていた














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。