※暫くの間はあなたちゃんの過去編となります
三月某日……
段々と暖かさの増して行く頃……
狐色 あなた、生誕 ___
生まれた瞬間に、凄まじい呪力が漂った
“東京”で生まれた少女
呪術界では生まれた瞬間に腕の良い呪術師が呪力感知をし、狐操術の使い手が生まれたと大騒ぎになったらしい。
そう、世界の均等がまた変わったのだ。
五条家の六眼持ちに次いで____
それはもう狐色家も呪術界上層部は大騒ぎ
とはいえ、
呪力量などの強さで騒いだワケでは無かった
狐色家は少女の容姿で騒ぎが起きたのだ
何故って?
其れはかなり昔の話になる___
狐色家は江戸時代末期辺りから、狐酔と言う名の特級呪霊が封印された
狐色家には『狐操術』と呼ばれる
特級呪霊 狐酔を手懐けられる相伝の術式があったがその狐酔が封印されてしまったのだ
その日からは狐色家相伝の術式が無くなったのもほぼ同然で、狐色家は呪術に疎くなった
そして、現代と移動するに連れて、狐色家の人々は呪術の事を忘れ去っていく………
そんな中、狐色あなたが生まれた
その時、狐色家は呪術に関しては疎く、
『呪力量』や『術式』という単語や意味も分からなかった為、一般人とほぼ同然だった
まず呪霊すら見えていなかった狐色家は呪術の才能がある事などに気付く筈も無かった
その時の少女は、瞳は綺麗な赤と青のオッドアイ、それにクリーム色の美しい髪だった
親はとても拒絶していた
親は自分達の子供を受け入れられなかったのだ
呪術界から見たら才能の塊なのに、
一般人から見たら気味の悪いただの赤子なのだ
捨てようとも考えていたらしい
だけど唯一、少女を受け入れてくれた人物が一人…
少女より六歳年上の姉…狐色 那麗愛 だ
少女の姉は今、小学一年生
純粋無垢な綺麗な瞳で子供の少女を見つめていた
その様子を見て、親達は何も言えなくなった
それから時が経ち一年
少女は成長のスピードが異様に早かった
身長や体重などは平均と同じだが、
たったの一歳もうペラペラと喋る事が出来ていた
話す相手の思考もなんとなく分かるようだ
だからなのかは分からないが、
親達は更に少女の事を気味悪がった
矢張り少女が『特殊』なのかも知れない
現に小学二年生になった姉より頭の回転が早かった
近所の人や親には『忌み子』と謳われた
少女は呼ぶと、
お母さんは彼女をギロリと睨み付けた
不機嫌そうに母はそう言葉を発する
ビクッと少女は怖気づいた
思わず少女は謝った
そして怖くなって
その場から逃げるようにトイレへ駆け込んだ
実際のところ、一歳の子供が「ごめんなさい」を言えるというのはかなり可笑しいのだ
少女の姉が、母を呼ぶ声が聞こえた
私はこっそり
トイレの扉の隙間から様子を伺っていた
姉も同じように睨まれてしまうと思ったから
少女はこれから怒られるかもしれない姉を助けようと、様子を遠目から見守っていた
だがそんな事はなく………
優しく微笑んで、少女の母は姉にそう聞いていた
その時、少女はこう思ったのだろう
『なんで私だけ嫌われないといけないの…?』
と。
少女は初めて、失望という感覚を覚えた___
思わず足から崩れ落ち、床に座り込んで、声を押し殺して涙をとめどなく流した。














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。