あいよぉ。食べてくのかい?
おう!
先程の悄気ている様子は何処へ行ったのやら。いつもの長尾に戻っている。
お待ちどうさま。のどに詰まらせないようゆっくり食べるんだよ。
そう出された団子は確かに美味そうで輝いて見えた。
団子仄かな甘みとお茶の苦味が上手く絡み合っている。
後輩力があると言うべきか、愛らしい。
頭に手を置いてやる。
ちょ、もう子供じゃないんすけど。
そう言うが顔は嬉しそうだ。
からかいすぎたのか手を払われてしまう。
戯れているとおばちゃんに「仲がいいわね〜」と言われてしまった。
長尾ちゃん。お隣はお友達?
いやぁ〜こう見えて上官なんすよね!!
こう見えてとはなんだこう見えてとは。どっからどう見ても威厳ある上官だろ。
あらやだ、ごめんなさいね。てことは随分とお強いのねぇ。
感心しているところ申し訳ないが別に俺はそこまで強くない。
いやぁ。僕なんて全然です。長尾クンには手も足も出ませんよ。
あら、そうなの?
はい、いつか追い抜かされるんじゃないかな。なんて。
談笑しながら長尾の肩を叩く。
本人の顔は不服そうだ。おい、褒めてやってんだぞ。
頼む。余計なことを言うな。
その後もいくつか話をし、長居しすぎてもあれだということで戻ることにした。
はいはい。ぜひまたお二人で来てちょうだいね。
今度はサービスしちゃうから。
ありがとうございます!
そうして店をあとにする。
桜が舞う道を歩く。
いつもこれぐらい平和ならいいのに。とさえ思ってしまうほどその桜は美しかった。
思わず立ち止まって見上げてしまう。
長尾。お前はこれから今よりずっと必要な、大きな存在になる。
才能も、力も、技術も、何もかも俺を超えているお前は。
もし、俺が道に迷ったときに、間違えたときに、同じように導いてくれるだろうか。
何でもない。そう言うあなたの下の名前さんの顔はいつになく寂し気で、何か言いたげな笑みを浮かべていた。
なぁ、あんたは周りからの評価に押しつぶされているんだよ。
暗闇にいるのなら俺が救い出す。手を差し伸べる。
陰口を叩く奴がいたのなら、然るべき罰を与える。
その目は笑っているのにも関わらず獣のような鋭い眼だった。
…育て方を間違えたか?親ではないけれど。
好かれているのは嬉しいけれど俺は恐怖も感じたよ。
そう言ってくれるお前に。











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。