コンクール当日。
私はとても緊張していたけど、今までの練習を思い出す。
あんなに練習したんだから、きっと大丈夫。
指揮者が手をあげる。
演奏が始まる。
みんなの音がひとつになる。
今までで1番楽しい演奏だった。
初めてホルンを持ったときはこんなに吹けるようになるなんて全く思ってなかった。
こんなにできるようになって、本当に嬉しい。
吹奏楽部に入って良かった心からそう思った。
峰岸先輩は頭がいいって評判だけど、人の心を読むのも得意だったりするんだろうか。
LINE繋がってるんだ……。
すごい進んでるじゃん。
紗良の恋が実るのがどんどん近づいていることを実感する。
ボウリングは何度か行ったことがある。
きっと楽しくなりそう。
少しだけ楽しみになってきた。
翌週。
いよいよ遊びに行く日。
男女2人ずつだからダブルデートなのかな?
でもカップルは1組もいないんだからデートですらないかもしれない。
予定はスポッチャで遊んでから、カフェとかに行くことになった。
そういえば佐渡先輩と峰岸先輩に私服で会うのは初めてだ。
でも、紗良の恋のためだから私は目立っちゃダメだと思って、シンプルなロゴTとショートパンツにした。
髪型は、いつも通りにして、唇にうすーくリップを塗る。
これくらいのオシャレ、私にも許されるよね?
そんなこんなでいつの間にかお昼になっていて、軽くごはんを食べてから駅へ向かう。
ちょっと慌てて出てきたせいか、約束よりも20分も早い。
はずなのに……。
このやりとり、2回目な気がする。
紗良もそれに気づいたのか笑っている。
何の前触れもなく紗良が口を開いた。
少し緊張したような真剣な表情。
今日???
告白???
いくらなんでも早すぎるんじゃないかと思う。
でも紗良の決めたこと。
思わず変な声を出してしまった。
私と紗良の後ろにいたのは峰岸先輩。
紗良も気づいていなかったらしく驚いている。
というかイケメンがすごい近くにいる。
もしかして佐渡先輩と同じで距離近い……?
急に同意を求められ慌ててしまう。
峰岸先輩すごくイケボだな、なんて関係ないことを考える。
フレンドリーで良い先輩だから、仲良くなれそうな気がする。
でも、今はそんなことより紗良が今日告白するつもりだということに気持ちが落ち着かない。















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。