第91話

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2025/12/30 01:00 更新





春高の試合に負けた冬の終わり、受験も佳境に差し掛かったある日の放課後。










黒尾とあなたは、学校近くの静かな公園のベンチに並んで座っていた。








夕焼けが二人の影を長く伸ばし、冷たい風が頬を撫でる。




黒尾は、手に持った缶コーヒーを一口飲み、ふっと息をついた。







「なあ、あなた。……進路、もう決めた?」








あなたは少しだけうつむき、手袋越しに自分の指をいじる。









『……うん。私、やっぱり心理学を勉強したいから、○○大学を受けようと思ってる。』








黒尾はその言葉に、どこか納得したように頷いた。







「そっか。……あなたらしいな。」








あなたは黒尾の顔をそっと見上げる。








『鉄朗は? やっぱり、バレーが強いとこ?』








黒尾は少しだけ笑って、空を見上げた。








「まあな。俺はやっぱり、バレーを続けたいし、スポーツ科学も学びたいから、△△大学にしようと思ってる。」








あなたはその答えに、少しだけ寂しそうに微笑んだ。








『……やっぱり、違う大学になっちゃうね。』








黒尾はあなたの肩にそっと手を置き、いたずらっぽく笑う。







「まあ、そうなるよな。
……でもさ、あなたがやりたいこと見つけて、それに向かって頑張ってるの、俺はすげーと思いますよ。」










あなたは照れくさそうに笑い、黒尾の手に自分の手を重ねる。









『鉄朗だって、ずっとバレーに真剣で、夢に向かってるの、私もすごいと思う。
……でも、やっぱりちょっと寂しいな。』










黒尾はあなたの手をぎゅっと握りしめ、真剣な表情になる。








「なあ、あなた。
……俺たち、これからは今までみたいに毎日会えなくなるかもしれない。
でもさ、離れてても、ちゃんとお互いのこと信じて、応援し合える関係でいたい。」











あなたは黒尾の言葉に、じんわりと胸が温かくなるのを感じた。









『うん。私も、鉄朗のこと信じてる。
……離れてても、ずっと味方でいるから。』









黒尾は少しだけ照れたように笑い、でもその目は真剣だった。










「あなた。……俺、バレーも勉強も全力でやる。
だからあなたも、自分の夢に向かって全力で頑張れ。
……お互い、ちゃんと自分の道を歩いて、また胸張って会おうぜ。」











あなたは涙をこらえながら、力強く頷いた。










『うん。……絶対、また笑って会おうね。』










黒尾はあなたの頭を優しく撫で、少しだけ声を落とす。

「……寂しくなったら、ちゃんと連絡しろよ。
俺も、たまには甘えに行きますから。」







あなたはくすっと笑い、黒尾の肩にもたれかかる。







『うん。……約束だよ。』








夕焼けの中、二人はしばらく黙って寄り添っていた。

それぞれの夢に向かって、違う道を歩き出す決意を胸に――。







黒尾は、ふとあなたの耳元で囁く。









「なあ、あなた。
    ……俺たち、離れてても最強のコンビだろ?」









あなたは涙を拭いながら、笑顔で頷いた。









『うん。……最強のコンビだよ。』









二人の未来は、まだまだこれから。

それぞれの夢を追いかけながら、またいつか、もっと強くなって再会する日を信じて――。






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