重い空気。押し潰されそう。この空間嫌いだな。
何て思っていればやけに真剣な声色が部屋に響く。
朝からキツイ。
時計が壊れていたからだと思う。だって医務室に掛けられた時計は短い針が八を指しているから。
呆れた様な、肩の力がすとん、と落ちた条野は溜息混じりに言って、それに私は了解、と返事をして救護箱を持った。
此方です、と言われて大人しく着いてきたら真逆の長細い弾丸の様な。何だろう、多分だけれど人が入っちゃいけない様な所に詰め込まれた。
それに加え今から私たちが入っているコレごと空から落とされます、と説明され正に宇宙猫状態。私を殺す気か。
けれどまあ冗談を言える程の余裕は有った。と言うか余裕を無理矢理にでも作らなきゃ精神状態が危うい。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。