入学式から約1ヶ月が経った。
心操くんとは“親友”と言ってもいいぐらいには仲良くなったと思う。……多分
そしてある日、2人で「今日の授業は難しかったね〜」などと話しながら食堂へ向かっていると、ヒーロー科の集団がこちらへ向かって歩いてきた。
髪色は金髪で王子様?っぽい見た目をしている。
出久に聞いた話を思い出してみても、1−Aにはこんな見た目の生徒はいなかったと思う。
……ということは、1−Bの生徒か。
それにしても、その言い方はないだろう。
それに邪魔なのはそちらの方だ。
彼は少し驚いたように目を見開いたが、すぐにさっきの表情に戻った。
その言い方ならヨシ!
私達はすぐさま道を開けた。
そう言って1−Bの集団は私達の横をさっさと通り過ぎていった。
そうして私達はやっと食堂へたどり着くことができた。
私はカツ丼、心操くんはカレーを頼んだ。
今度出久にあったら、1−Bの集団が突撃してきたか訪ねてみよう。絶対おもしろい話が聞ける。
雄英高校の体育祭は日本のビックイベントの1つだ。
TVでも放送され、ヒーロー科の活躍する行事となっている。
まあ、あまり普通科・経営科には関係ないことだが…。
そして雄英高校体育祭はかつての「オリンピック」だ。
私の前の人生では「オリンピック」だったため少し懐かしい。
実は心操くんは普通科ではなく、ヒーロー科志望だったらしい。
しかし「洗脳」という個性を試験で上手く使うことができず、泣く泣く普通科になったそうだ。
使い方次第でいい個性になりそうだけどなぁ。
心操くんは目を見開いて固まっている。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!