第5話

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2025/08/04 06:23 更新






pr side





映画館から出た瞬間、けちゃが明るく振り返った。





kty
ぷりちゃん、めっちゃ泣いてたでしょ〜!
pr
泣いてへんっ!






反射的に言い返したけど、実際、泣いてた。
というか、あいつの方がもっと泣いてたくせに、バレてへんとでも思ってるんか。俺の袖、ずっと握って鼻すすってたのに。

けちゃは俺の顔をじっと覗き込むと、「うわ、絶対泣いてる顔だ〜」とニヤニヤ笑った。
その笑顔に、なんか心臓がギュッとなった。





kty
プリンおごってあげよっか?
pr
小学生か。
kty
え〜、だって泣いてた人にはプリンでしょ〜!






子どもみたいな顔して、俺の手をつかむけちゃ。
その手は、映画の中で握ってきたときと同じで、少し震えていた。

ほんとはこいつも、映画の内容にやられてる。
悲しかったんやろな。
優しいから、誰かが死ぬ話とか苦手なんよ、こいつ。

俺はけちゃの手をそっと握り返して、言った。





pr
……ほな、プリン奢って。
kty
え!ほんとに?!w






俺の笑顔はきっと、ちょっとだけ意地悪だったと思う。











その日の夜。

あっきぃ主導で、次の動画収録のスケジュールを話すための会議が始まった。DISCOには、ちぐさ、あっと、けちゃ、まぜ太、そして俺。いつもの6人が揃っていた。





ak
けちち〜!今日どうだった?!






あっきぃの第一声に、けちゃは「あ〜!」と嬉しそうに声を上げた。





kty
ぷりちゃんと映画行ったの!ね、ぷりちゃん、めっちゃ泣いてたんだよ!
pr
お前もや。
kty
僕は感動してただけ〜〜〜!
pr
うそつけw






ちらっと、まぜ太の反応をうかがう。

彼は少し遅れて入ってきて、マイクをオンにしたまま無言だった。
でもその「無言」は、俺にははっきり伝わってた。

やっぱり、まぜ太は怒ってる。
映画に、けちゃと俺が行ったことも──けちゃが、まぜ太じゃなくて俺を選んだことも。





mz






ふいに、まぜ太がミュートになった。
けちゃが「まぜち〜?聞いてた?」と呼びかけても、返事はない。





at
まぜ、寝たか?
tg
ふつーに怒ってるんでしょ!






ちぐさの冗談めいた声に、けちゃはきょとんとしていたけど──
俺は知ってた。
まぜ太があんなふうにミュートするのは、本気で不機嫌なときだけ。





pr
( お前さ……ほんま、素直じゃないな )










──数日後。

まぜ太から、珍しく俺に個チャが来た。





mz
「けちゃのこと、好きなんだろ?」






まぜ太にそんなこと言われるなんて、思ってもみなかった。




pr
「どうやろな」
pr
「俺が好きでも、お前に関係ないやろ」






返した後、既読がついたまま、まぜ太は何も言ってこなかった。

その夜、けちゃがふわっと俺に通話をかけてきた。





kty
ぷりちゃん、最近まぜち、変じゃない?
pr
ふーん、そうか?






けちゃの声には、少しだけ寂しさが混じっていた。
多分、けちゃも気づいてるんやろな。
自分が誰かに、想われてることも──でもそれに気づかないふりをしてることも。





kty
ぷりちゃんは、変わんないね。やっぱ一緒にいて落ち着く〜






そんな言葉を、こんな夜に投げかけるなんて。
あいつ、ほんま罪やな。





pr
……俺も、お前とおる時が一番落ち着くわ
kty
えっ、ほんと?うれしい〜!





あぁもう。ほんと可愛くて、愛しくて、ぎゅってしたくなるくらい好きや。











To be continued…












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