第4話

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2025/08/03 06:00 更新












mz side





pr
なぁけちゃ






ふと呼んだ彼の声に、けちゃがあっちを向いた。






kty
なに?
pr
ちょっとこっち来て。いいもんあげるわ
kty
えっ、なにそれ、気になる〜!
mz
あっ……






そう言って、けちゃは俺の手をすり抜けるように、ぴょんと彼の隣に行ってしまう。
その一瞬、けちゃの服の端を、指で掴みかけて……止まった。

けちゃを引き止めようとして、でもできなかった俺のその手。

──この関係、壊したくない。でも、譲る気もない。

俺もまた、けちゃが好きなんだ。
だからこそ、このゲーム、負けられない。











pr side





けちゃが隣に座っていると、なんてことない仕草が、全部かわいく思えてしまう。

カフェのストローをくるくる指で回す仕草も、
気づけば俺のマグカップを覗き込んでくるところも。

──あぁもう、好きになってまうやろ。

けど、正直に言えば、俺はもうとっくに好きや。

けちゃの「まぜち〜」って甘える声を聞くたび、胸がちょっとだけ痛む。
あいつにはあんな風に笑うくせに、俺に向ける笑顔はどこか、素のままや。

飾らん笑顔を見せてくれる分、俺にとっては、それが逆にしんどい。
だけど……それでも欲張ってしまう。

俺だけに見せる顔が、もっとほしい。

だから、今回の映画も、ちゃんと計画して取った。
まぜ太の前で「衝動っぽく」見せたけど、実際は何日も前から準備してた。

まぜ太が、けちゃを好きなのも知ってる。
けちゃがまぜ太に懐いてるのも、痛いほどわかってる。

でも。

俺やって、負ける気はせん。











kty side






映画のチケットを差し出された瞬間、驚きすぎてちょっと顔が熱くなった。

うそ、ぷりちゃん、そんな準備してたの……?!

そう思いながら、でも素直に「うれしい」って言えなかった。
なんか照れるから。

僕、動画のときみたいに「好き〜!」とか言えたらいいのに。
でも、こうやって素で優しくされると、逆に言えなくなる。

しかも……まぜちが…

いつもなら、「行くな」なんて言わないけど、今日のまぜち、ちょっとだけ、悲しそうな顔してた気がした。

僕の気のせいかな……?

ぷりちゃんと一緒にいるのは、楽しい。
でもまぜちと一緒にいるときも、安心する。

どっちが“好き”とか、よくわからない。
けど、どっちも大事で、どっちも……大好き。

こんな気持ち、どうしたらいいんだろ……











To be continued …










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