毎日会うようになって 、
私たちはお互い 甚爾 、あなたの甚爾から呼ばれるニックネーム
って呼び合うようになった 。
そして 、私の傷も日に日に増えた 。
禪院家の相伝術式である
十種影法術と投射呪法
私にはどちらも発現せず 、
変わりに 、聞き馴染みのない
誘力術が私に身についた 。
本当に禪院家の血は混じっているのか 。
そんな話題が 、数年続き 、
両親は私に八つ当たりをした 。
これが最後の会話だった 。
それから両親からの虐待に1人で
耐える日々が続いて 、
私は中学生になった。
中学校にも私の居場所はなく 、
色のない毎日を転々と過ごした 。
卒業式の日 、私を襲った教師が死んだ 。
殺ったのは 、多分甚爾だ 。
殺され方が残酷で 、
呪霊にやられたものだと思った
でも 、残穢が全く残っていなかった 。
私のためにやってくれたと思うと 、
喜んでしまいそうになった 。
今は何処にいるのだろう 。
私の初恋 、だったのにな 。
甚爾の夢を見て 、一筋の
涙が零れた 。


















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。