『こんにちはPlayer!Playerのお名前はなんですか?』
目を開けるとそこには浮いた白いもふもふ、
体の上には〈もるもふ〉と名前がのっている。
そして目の前には設定プレート、―Avatar―の世界だ。
「可愛い。あー名前…四季凪、夕夜。…おっけ」
もるもふに触れてみると、もふっとしていて柔らかい。
触れる感覚に感動しながら、
片手でプレートに名前を入力する。
『…。PlayerID、YY033aで間違いありませんか?』
「うん」
頭を撫でると耳がぴこぴこする、可愛い。
ワールド内には居ないのかな…。
『それでは次にPlayerのAvatarを設定して頂きます!』
『Avatarは貴方の分身であり、一度設定してしまえば
変更は出来ません。満足するまで設定してください!』
もるもふを触るのに夢中になっているうちにいつの間にか
もるもふがアバター設定の説明に入ってた。
うっすらだけど記憶にあるのは利用規約に同意したこと
だけだし、まあいいや。
「髪型とかも変えられないの?」
『【根本】は変えられません!』
根本…。禿げにしても生えてくるとかそういうことかな?
現実に大分寄ってるんだ、凄いな。
『それでは、設定が完了されたときにまた来ます!』
「あ」
消えちゃった…。
手の中の喪失感にがっかりしつつ設定に移る。
早く―Avatar―をプレイしたくてうずうずしてるんだ。
「腕がなるな」
僕の分身だから、ちゃんと考えて作らないと。
少し早く入った春と柚はどんなアバターにしたのかも
気になる、僕のアバターのお披露目も楽しみだな。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。