第3話

第3話 少女が過ごした辛い時間
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2024/04/23 15:12
私は中学3年生だがずっといじめられていた
中学に入った頃からずっと

1人で抱え込んでいた
誰にも相談せずに
教科書に落書きされても
上履きに画鋲を入れられても
黙っていた

親は仕事をしていて相談できるような雰囲気でもないし心配かけたくもなかった
だからずっと我慢していた…

我慢していた…でももう限界だ心はもうズタズタだし生きる意味もない
私は今学校の屋上にいる、授業中だ急がないと先生が探しに来てしまうかもしれない

「やっと解放されるんだ…」
ふと下を見ると足がすくんだ、今は授業中もしかしたら先生が探しに来てしまうかもしれない
「早くしないと」
わかっていても体がこわばっていうことを聞かない、
震えがおさまってから屋上の柵に足を掛けた
その時バタッという音と共に私が先生の中で1番仲が良い女の先生がダッシュで私の元に向かってきて私を抱きしめた
「よかった、、生きてた」
「なんでここに先生が、、?」
「授業にこなかったから探してきたに決まってるでしょう」
先生は泣いていた
先生が泣いてくれたのは正直嬉しかったけど何故か私は泣かなかった。少ししてから先生は私を体から話した
「どうしてこんなことをしたの…?」
私は口を固く閉ざして答えなかった
正確には答え「られなかった」の方が正しいのかもしれない。答えなかったが先生は優しかった
「理由はともあれ生きていてくれて良かった。とりあえず保健室にいきましょうか」
「他の人には言わないで」
その時小声だがとっさに声を出した
先生は少し考えてから誰にも言わないと言ってくれた
それから保健室のベットで私は眠りについた
目覚めたそこは見覚えのない店内だった
少し辺りを見わたしているとカウンターから声が聞こえてきた
「いらっしゃいませ、本日はどうしましたか?」
「ここはどこですか?」
恐る恐る聞いてみると
「ここはbar time 眠りについた時にこれるバーになっています」
「死にたいと思ったり、辛いと感じた人がくる場所です」
「そうなんですね」
「とりあえずカウンターへどうぞ」
そう言われるがままカウンターの席に腰をかけぼーっとしていた。
少し経って
「カクテルなどのみものはいかがですか?」
「未成年なのでお酒は、、、」
「そうでしたか、それはすみません。ノンアルコールの学生様でもお飲みいただけるカクテルもご用意できますがそちらはいかがでしょう」
「それでしたらお願いします」
「では何のフルーツが好きですか?」
「好きなフルーツ、、、」
自分の好きなもの、中学校に入ってから何かを好んで食べたり行ったりしたことがないことに気がついた。
(小学校低学年の頃はいちごが大好きでよく親に頼んでいたっけ)
「いちごのカクテルってできますか?」
「勿論です。少々お待ちください」
それから少しして綺麗な赤色をした飲み物が目の前に置かれた
「お待たせしました。いちごのノンアルコールカクテルです」
「ありがとうございます」
そう言ってカクテルを口に運ぶ。
飲んだ途端涙がこぼれ落ちた
美味しい、そう言いたかったが思うように声が出なかった
それからずっと静かに涙を流していた
20分くらいして涙が自然に止まった
泣き止んでなにも考えたくないと思い机に突っ伏してぼーっとしていた

少し経って近くで誰かが会話しているなと思ったがよく聞こえなかったし、わかっても何もないので考えないことにした

「死にたいの?」
「え?」
この単語だけは鮮明に聞こえてきた
その声がした方を見ると20代の若い男性が1席開いたところに座っていた

→次回に続く

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