第17話

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2024/04/27 12:55 更新
Hotoke
……スゥ…
扉の前で一旦深呼吸をする。
うるさい心臓を押さえつけ、ドアを思いっきりノックした。
コンコンコンッ
Hotoke
…失礼します
ドアを開けると、部屋には僕以外の生徒会メンバーが揃っていた。
Sho
…あっ、いむくんや!!
Liura
ほとけっち遅いよw?
Naiko
おっ、ほとけっち来た
If
やっと来たか〜
まぁ…少しばかり遅刻するとは言ったけど。

でも、それより……
Yusuke
ほとけ、お疲れ様
みんなが僕のことを見てくれている。
その事実がとても嬉しい。
Hotoke
………ありがとう…っ…
やっぱ嬉しい…。
Sho
いむくん!!隣空いとるし座って!
しょうちゃんは隣にあるパイプ椅子をばじばしと叩き、そこに座るよう促してきた。

しょうちゃんと隣だけど、あにきとも隣。
Hotoke
……じゃあ…
しょうちゃんに促されるままパイプ椅子に腰を下ろした。持ってきた通学カバンは脇に置く。
Hotoke
………
え待って、何この空気。なんでみんな黙ってるの?
Yusuke
みんな揃ったな
笑みをこぼしながら、タイミングよくあにきが声を上げた。
Liura
今日って別にみんな集まらなくてもいい日じゃなかったっけ?
Naiko
確かに…ま、あにきが言うことだしなんか用でもあったんでしょ
りうちゃんの言葉に、ないちゃんをはじめみんな首を縦に振る。
これに関しては僕も同意。まぁ…どちらにせよ僕は帰っても何もないからいいんだけど。
Yusuke
そ、なんか用があるんよ
If
………。
Sho
何の用事や?


Yusuke
最近のお前らのことについてや
まっすぐと鋭い瞳をみんなに向けるあにき。
思わず自分に向けられてないにしろ体が縮こまる。
Liura
…というと?
りうちゃんが首を傾げるのと同タイミングで、あにきは席を立ち、僕の座っている椅子の後ろに立った。
そのまま僕の両肩に手を置かれる。
Yusuke
もっとメンバーを大事にしてやれ
あにきの長い髪の毛が頬を撫で、少しくすぐったい。
あにきから少し甘酸っぱいような匂いがした。
Yusuke
目の前にいるほど無意識に扱いが雑になってまうのは分かる
Yusuke
俺やってそうやった。やけどな、…
一拍置き、あにきがさらに口を開く。
Yusuke
はっきり言うとお前らは俺に気を取られすぎやねん
Hotoke
うわっ、!?
椅子が大きくガタッと音を鳴らす。
首に手を回され、あにきの顔がすぐ近くにあった。
Hotoke
ちょっ、近……//
 
Yusuke
…まぁ、そういうことや。頼むでお前ら
あにきが全てを言い終わり、辺りを見回す。
Naiko
ちょっとさ、
Sho
思ったことあんねんけど、
Liura
もしかしてほとけっちってさ……
 
member
あにき / 悠くん と付き合ってる!?
Hotoke
えっ、あ〜……
どうしよう。何て答えれば………ッ、!?
Yusuke
せやで、な?ほとけ
満面の笑みを僕に向け、同情を誘うように首を傾げてきた。
Hotoke
…………うん、
もう、どうにでもなれ。

そう思い服の裾を強く握り、体を強張らせたけど、返ってきた言葉は想定外のものだった。
Liura
先越された……
Naiko
あのほとけっちが…ねぇ……
Sho
まぁ…相手が悠くんなら安心やな
 
If
ほとけ、
いふくんが澄まし顔で、僕の名前を呼びかける。
If
あにきになんか酷いことしたらタダじゃ済まさんからな
Hotoke
………もちろん
鋭い瞳に向き合い、力強く頷いた。
それを見たいふくんは、顔を綻ばせ、僕の頭に手を伸ばす。
If
…なんかあったらすぐ言えよ
Hotoke
…ありがと
 
Liura
あ〜ほとけっちに取られるとはなぁ…
Naiko
ま!!でも諦めてないから!
開き直ったように、ないちゃんが僕に真っ直ぐ指をさしてきた。まるでビシッと効果音が鳴るような…()
Sho
こらこら、人を指でさしちゃだめやろ
Yusuke
ふははっwまぁ頑張れやw
If
目移り宣言?
Hotoke
えっ…?
Yusuke
んなわけないやろ
ばっさりと言い切られ、あにきの心構えが伺えた。
  



Yusuke
ほとけ、
みんなが帰った後、生徒会室に残っていたあにきに名前を呼ばれる。
Hotoke
どうしたの?
なんかしちゃった?なんて思いながら首を傾げると、すぐ目の前にあにきの顔があった。
Hotoke
うわっ、!?
Yusuke
あれ、そんな驚くことか…?
Hotoke
いきなり目の前に来られたら驚くじゃん…?
Yusuke
あ〜すまんすまんwま、そんなこと置いといて〜よ?
Yusuke
ど?怖くなかったんちゃう?
首をこてん、と傾けてふにゃけたような笑みを僕に浮かべる。
傾けた衝撃で髪の毛が揺れ、思わず見惚れてしまう。
Hotoke
……怖くなかった、
Yusuke
ならよかったわ、あいつら悪いやつちゃうし、心配はないと思うで
Hotoke
…うん
みんなは、僕の頭を撫でるのが好きなのかな。
僕が頷くと、あにきは満足した顔で僕の頭を髪がぐっしゃになるほどに撫でる。
Hotoke
あの……髪ぐっしゃ…
Yusuke
ええやんもう帰るだけなんやし
Yusuke
どーせ髪ぐっしゃになっても見るの俺だけやしええやろ
Hotoke
なっ…!!僕が大丈夫じゃないのっ!!
髪ぐっしゃのまま帰れるかっての!!
Yusuke
お〜、アホ毛千切れるんちゃう?
僕の気持ちを他所に自分でもどう言う仕組みで動いてるか分からないアホ毛を掴まれる。
Hotoke
ちょっと!
てかこれなんの話なの!?飛躍しすぎじゃない!?
Yusuke
はいはいwすまんってw
  
Yusuke
前よりずっと幸せそうでよかった
急に目を細め、安心した顔を浮かべる。
Hotoke
………そこまで見てたの
Yusuke
あるやん、気づいたら目で追ってる〜みたいな?それと同じや、多分
Hotoke
多分って…何それ、w
完全に眼中にないもんだと思ってた……。
Yusuke
自分が思ってる何倍も他人も案外見てるもんなんやで
Hotoke
……
Yusuke
なんかあったらちゃんと言えよ
Yusuke
ほんまになんでもいい、今日あったこととか、くだらん話とか
Hotoke
…あにきもね、
そう言うと、あにきは目を丸くして少し驚いたような顔をした。
Yusuke
…当たり前やろ
Hotoke
お?言ったね?約束だからね?
Yusuke
そりゃあ…まぁ…
目を泳がせ、おぼつかないような態度に、笑いそうになりながらも仕返し要因として僕も顔をずいっと近づけた。
Hotoke
歯切れ悪くないですか、かいちょ〜?
Yusuke
やめろっ、顔近いわ、あほ//
近づけていた顔を手で退けられる。
めっちゃ照れるじゃんなんて思ってたら、あにきは床に置いていた僕のカバンを手に取り目の前に差し出す。
Yusuke
ほら、一緒に帰るで
あにきのもう片方の手にはあにきのカバンがあった。
僕のカバンをそっと受け取ると、あにきは先導でもするかのように生徒会室のドアを開ける。
Hotoke
…じゃあ、お言葉に甘えて……







Yusuke
お前ももっと素直になれよな
Hotoke
じゃあクレープ食べたい
Yusuke
遠慮も覚えなあかんなー(棒)
Hotoke
あれ、
Yusuke
ふはっw冗談やってw…俺はクリーム苦手やけどほとけが食べたいんやし行こ






Yusuke
……好き
Hotoke
……僕も、そのっ……好き…//


とんでもない不意打ちはいつまで経っても続いた。

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