前の話
一覧へ
次の話

第2話

☘️
22
2026/08/30 05:21 更新
🎀
規則的な電子音が響く。

白くて、冷たくて、薬品の匂いがするへや。

Abe
っ、あなたの下の名前!しっかりしろ!目を開けろよ……!
私の手を、壊れそうなほど強く握りしめているのは、大好きな人。

……亮平くんだ。


いつもは綺麗にセットしてある黒髪が、今はボロボロに乱れている。

寝る間も惜しんで私のそばにいてくれたから、目の下にはクマがあった。
あなた
ごめん、ね……りょう、へいくん。
Abe
お願い、、謝らないであなたの下の名前は悪くない。何も悪くないから……!!
ポタポタと、亮平くんの目から大粒の涙が溢れて私の手の甲を塗らす。
私の体はもう限界だった。
原因不明の病気。
どんなに有名な医者にみてもらっても、治す方法は見つからなかった。



ガラッっと、病室のドアが勢いよく開く。
fuk
阿部!!あなたの下の名前ちゃんッ!!
息を切らせて入ってきたのは、亮平くんの友達。照くんと深澤くん。

私で言う学校の先輩だった。
後ろには他の皆の姿も見える。

みんな泣きそうな顔して、私を見つめていた。
wat
嘘だろ……。なぁ、神様なんていねぇのかよッ
ううん、翔太くん神様はいるよ。
私の運が悪いだけ。

皆はきっと大丈夫。

横にはいつも明るい康二くんが、めめの胸に顔を埋めて肩を震わせている。

皆のかをが、視界が、だんだんと霞んでいく。
ああ、もう時間がないんだな。
あなた
亮平くん。
Abe
ッ……なぁに?ここにいるよ、ずっと手を握ってるよ。
亮平くんは、私の声を聞き漏らさないように、必死に泣き止んで顔を近付けてくれた。
あなた
私ね、亮平くんに、出会えて……本当に幸せだったよ。
私も涙を抑えながら亮平くんに、みんなに聞こえるように言う。
Abe
やめろ…そんな、最後みたいなこと言うなよ、!
あなた
ううん、最後じゃないよ。私ねずっと、亮平くんの、心の中にいるから。
霞む視界のなかで、亮平くんの綺麗な顔に手を伸ばす。


だけど、私のその手は亮平くんの頬に触れる前に、冷たいベッドの上へと力なく落ちてしまった。
Abe
あなたの下の名前……?嫌だ、目を開けてよ……!
ピッーーーーーーーーーーーーーー……。
Abe
あなたの下の名前ーーーー!!あなたの下の名前!!
亮平くんの、引き裂かれるような声が、どこか遠くで聞こえた気がした。
☘️
Abe
……くそっ、なんでだよ、なんで救えないんだ!!
あなたの下の名前が冷たくなってからどれくらいの時間がたっただろう。

暗い研究室のなかで、俺は狂ったように計算式をノートに書き殴ってた。

涙で文字が滲み、世界が司会が歪む。
同じ運命を、さざ波のように、、

絶対に嫌だ。

医者でだめなら科学の力で、僕の力であなたの下の名前を救う。

Abe
待っててね。あなたの下の名前。
視界が光に溶けていく。
時間が、逆流していく。















_____君のいない未来なんて。
🔍さざ波
さざ波は細かに立つ泡。すぐに消えてしまうような波。

プリ小説オーディオドラマ