第18話

14話
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2026/01/03 05:30 更新
どの道危険因子に変わりはない。クラール家の小賢しい魔法なら使い方1つで最強格になりうる魔法なのだから。放っておけばお父様に歯向かいかねない。





さあて、目の前の女も倒れたし、どう甚振ってやろうかと考えていたその時だった。




プルルル… プルルル…




と伝言ウサギがなり始めてしまった。




全くタイミングが悪いな…と思いながらも、電話の主には心当たりしかなかったので、仕方なく電話に出ると、
???
セルさんですか。私ですよ。
セル・ウォー
ああ、貴方様でしたか…エピデム様。
良かった。デリザスタ様やファーミン様ではなかったとホッとしていたのも束の間、彼から告げられたのはとんでもないミッションだった。
エピデム
貴方に緊急でミッションをと思いまして…かの有名なマルバツパティスリーの伝説のプリンというのを食べたくなってしまって、貴方の任務先の近くにあったと思うので早く買ってきて帰ってきてくださいね。
そう言って一方的にブツッと切られた伝言ウサギはもう鳴ってくることはなかった。




…エピデム様の「早く」という言葉には幾度と振り回されてきた自信はあったが、今回は早めに行った方が良さそうなケースか…そう判断した私は、軽く舌打ちをして女をそのままにすることにした。




そうとなればアベルを始末するのが先だからな。
ったく。急に飛び出して行ったと思えば…無邪気な淵源イノセント・ゼロを止めるって大口を叩いて。




なんでこうもアドラは好戦的で血の気が多いというか_命知らずなヤツが多いんだか…




今年の1年は特にだ。全くどうなっているんだか教えてくれジジイと言いたくなるくらいだ。





これだけ校則違反者が出れば間違いなく監督責任でオレは呼び出されるだろう。…まぁ筋の通っている奴がいるのも事実だ。それもまた彼等の魅力だろう。





そんなことを考えて飛び出して行ったクラールを探していると、通路のど真ん中に倒れている人影を発見した。





それは、頬を赤くした苦しい様子のクラールだった。




額に手を当ててみると恐ろしく熱く、まるで体が発熱を起こしているような勢いだったため、これはまずいと直感的に感じたオレは魔法で彼女を浮かして急いで地下室の出口へと向かった。
レイン・エイムズ
くそ…
やはり地下室では魔法が外に漏れないよう遮断魔法が掛かっているのがこうにも面倒だと思ったことはなかった。







元々闘技場だったのも何か関係があったりするんだろうか…いやそんな事はどうでもいい。今は此奴を保健室に届けることが最優先だ。








…よし、ようやく地下室の入口に着いた。




着いたと同時に転移魔法で、保健室の前に辿り着くことができた。
レイン・エイムズ
すまない。誰か先生は?
先生
あら、レイン君。こんな時間にどうし_あらヤダ!!その子どうしたの!?すごい高熱じゃない?!
ちょっと見せて、と彼女を預けてから病状を確認するまで付き添い人として彼女の隣にいさせて貰った。






保健室のベッドに眠っている彼女を見ると不意にフィンを思い出して余計不思議な気持ちになった。







目が覚めたらお前に言ってやりたいことや話したいことが沢山ある。





くたばるんじゃねぇぞ。
レイン・エイムズ
先生。容態は…
先生
この子の熱ただの熱じゃないね。
レイン・エイムズ
ただの熱じゃないとは…?
先生
彼女の中で燻ってる魔法が綿密に関係しているというか…謎だらけなことに変わりは無いよ。
とにかくこちらで引き取るからもう帰っていいよ。と
言ってくれたので、お言葉に甘えて帰らせてもらった。






クラールと聞いた時から何となくは予想していたが…色々と聞いた方がいいかもしれないという考えが不意に頭を過ぎった気がした。



何故なのか、その答えが出るのはまだ時間がかかりそうだったので保留にしておくことにした。

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