静かな空間
善法寺の強い鼓動が時間を感じさせなかった
布団の上に座っているあなたの苗字に
顔を合わせるように座って返事を待つ
諦めたような,乾いた声は
善法寺が一番考えたくなかった
病気の肯定をしていた
身体が強ばり声は消え入りそうになっていた
だがあなたの苗字の表情はいつも通り淡々としている
善法寺が強く拳を握りしめる
あなたの苗字が来たことで
皆が少しずつ笑うようになった
鬼に脅かされる夜が無くなった
密かな優しさに救われていた
室町時代よりも先の
大正時代でさえ治す事が無理なのならば
もうどうしようも出来ないだろう
命が燃えようとしている恩人を目の前に
何も出来ない自分を恨んだ













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。