第46話

『 一口だけの嘘 』 ⑦
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2025/12/10 12:14 更新

大和
よぉ、あなた元気か
刺刀
元気だよ、いらっしゃい
上原由衣
はい、これ差し入れの果物ね
刺刀
ありがとう、由衣
諸伏高明
跡も消えてきましたか?
刺刀
今はほぼ元通りだよ

翌日、俺らは改めてこいつの病室を訪れた

あの後、都草はあなたに詫びを入れてパトカーに
連れられて行った
それは警部としての彼女ではなく、警察学校時代の自分
達を裏切った自分からの詫び
大和
にしても皮肉なもんだ
上原由衣
皮肉?
大和
あぁ、都草(とぐさ)は別の読み方をすれば
ミヤコグサだ
大和
確か花言葉は──・・・
刺刀
…「 復讐 」だよね?
大和
あぁ、
上原由衣
……皮肉なものだけれど
彼女自身は誇りに持ってたはずよ、
自分の名字に
諸伏高明
誇り…ですか?
上原由衣
だってミヤコグサは「 また逢う日まで 」
上原由衣
という意味もあるくらいだし…
上原由衣
ミヤコグサって鮮やかな黄色の花で、
その見た目から別れ際を希望として
象徴している、ってことからそう
ついたのよ
上原由衣
だから1度は上京したものの
帰ってきたのはそういうこと
じゃないかしら

上原にそう言われるとあなたは瞳を揺らし窓の向こうに
ある外を見た
刺刀
でも、そういう彼女はもう帰ってこないよ
上原由衣
…っえ?




刺刀
「 汐莉…、 」
都草汐莉
「 " さよなら "、あなた 」



刺刀
汐莉は気まぐれだからね
どこか遠くを見ながらそう呟いた
「 でも 」と付け足しながら自分の手元を見た
そこには昨日掴んだ包丁で切られた部分があった
痛々しくも包帯ですごく巻かれていた
刺刀
汐莉はいつから笑えてなかったのかな、
刺刀
少なくともあの時の






都草汐莉
「 あなた、鬼教官に怒られるって!! 」



都草汐莉
「 今日部屋帰ってから
  ババ抜きしない? 」


都草汐莉
「 私ここ行きたいんだよね…、 」
都草汐莉
「 あ、今度の休暇一緒に行かない? 」




刺刀
あの時代(警察学校時代)の笑顔は
嘘じゃなかったことを願うよ

そう呟いたあと1粒の雫が布団へと落ち波紋を広げていた
俺らはそれをただ見守ることしか出来なかった

1口飲んで命の危機に迫ったあなたとそう仕向けた都草、
お互い嘘を分かってて隠してた

大和
あなた、
刺刀
ん?
大和
一つだけ言わせろ
大和
必ずしも













    「 庇うことが友情じゃねぇからな 」






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