アタシ達は 、 少し周りを探索してから体育館に入った 。
体育館の中は 、 思っていたより賑やかだった 。
あちこちに 、 人影 。
小さな声で話している子もいれば 、 周囲を警戒するように立っている子もいる 。
…… ちゃんと 、 みんな来てる 。
それなのに 。
白髪の子は 、 体育館の少し端の方に立っていた 。
誰とも 、 距離を取るみたいに 。
独りじゃない 。
でも 、 独りみたいだった 。
湊が 、 楽しそうに言う 。
白髪の子は 、 びくっとするけど 、 その場から動かない 。
礼斗が 、 静かに辺りを見回す 。
…… その時 。
がたん 、 と大きな音 。
体育館の奥 。
舞台の方から 、 聞き慣れない足音が響いた 。
ひとつ 、 またひとつ 。
靴底が床を叩く音が 、 やけに大きく聞こえる 。
ざわ 、 と 、 体育館の空気が揺れた 。
誰かが 、 小さく呟く 。
舞台袖の暗がりから 、 人影が現れる 。
ゆっくり 、 焦らすみたいな足取りで 。
その姿がはっきりした瞬間 …
あちこちで 、 息を呑む音がした 。
軽い 、 けれど妙に耳に残る声 。
人間 。
それは 、 すぐ分かった 。
それなのに … なぜか 、 背筋が 、 ぞくりとする 。
楽しそうに 、 周囲を見回す 。
視線が 、 一人ひとりを 、 値踏みするみたいに 。
そして ……
その視線が 、 体育館の端へ 。
白髪の子で 、 止まった 。
その一言で 、 白髪の子の肩が 、 びくりと揺れた 。
独りじゃない 。
ちゃんと 、 みんな居る 。
でも ……
くす 、 と笑う 。
悪意を 、 隠す気もない声 。
白髪の子は 、 俯いたまま 、 動かない 。
湊が 、 小さく言う 。
礼斗は 、 無言で 、 白髪の子の方を見る 。
逃げない 。
いや 、 逃げられない 、 のかもしれない 。
舞台の上から 、 一歩 、 降りる 。
床に 、 靴音が響いた 。
その音だけで 、 体育館の視線が 、 一斉に集まる 。
この人も 、 宝石 ……
アタシ達宝石は 、 産み嫌われる物 …
もしかしてこの人も _____
そんなことより 、 話を聞かないと … !
管理 。
その言葉が 、 やけに 、 重く響いた 。
…… 本当 ?


















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。