手元にあった時計を確認すると、朝食の集合時間の5分前だった。
隣にはソヨンがいて、部屋に戻らずそのまま寝落ちしてしまったのだろう。確か寝たの……3時くらいだった?
最後の足掻きで洗顔をし髪をある程度整え、パジャマのまま食事会場に向かった。
席について辺りを見回すと、男子はともかく、女子はほとんどがメイクとヘアセットを終えた状態で座っている。
隣の長いテーブル席には、ソヨンたちがいて、やっぱり目立っていた。
周りがまだデザートを食べている中、私たちは席を立ち会場を出ようとした。
後ろから声をかけられたので振り向けば、そこには昨日電話をした人達がいる。
バジャマだし、髪も爆発してるから、きっと寝坊したんだろう。
あれを?見ていた人がいると?
ちょっとちょっと、それは大問題だよ。
これ以上その話をしたくはなかったから、ミナを連れて「じゃーね!」と小走りで階段を上って逃げた。
二日目の班行動はバスが目の前で出発したり、道に迷ったり色々あったけど、この上なく楽しかった。
もうただの旅行。何か学ぶことあったかな、と思うくらい。
それから三日目も無事に終わって、とうとう最終日がやってきた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!