第14話

友よ
125
2025/07/05 11:08 更新
星街すいせい
よっし、行くか
ケモノビトの王のところへ
王様のところへ向かう途中

方向音痴ないろはでさえ、
ある疑問を持った
風真いろは
あれ、王国ってこっちで
あってるでござるか?
星街すいせい
いや、ちょっと寄り道したくて
いいかな
風真いろは
もちろんでござる!

森を歩いているうちに

段ボールや木の板でできた
小さな家のようなところへやって来た
星街すいせい
…なつかしいな
そう、ここは
白上フブキや大神ミオ達と
ゲームをしたり、話し合ったりした場所




あの隠れ家だ
星街すいせい
もしかしたら、
ここにあの人が居るかもしれないんだ
常闇 トワ
あの人?
星街すいせい
トワ、いろはと外で待っててくれない?
常闇 トワ
…うん、わかった
星街すいせい
じゃ、行ってくる
風真いろは
気をつけてくださいね
何があるかわからないでござるから
星街すいせい
へーい










吊るされている梯子を登り

のれん代わりに使われたカーテンをくぐり

中へ進んでいく
星街すいせい
……ん

何かが足に当たる…


それを拾い上げて気づいた
星街すいせい
これ…
みんなで遊んだゲームソフトが

たくさん落ちていた


どれも、見覚えのある
思い出だらけのものばかり


思い出に浸り
二度と会えない仲間達のことを思いだし
少し、悲しくなっていた時、




誰かの視線がこちらを向いていることに気づいた
???
…もしかして…すいちゃん…?
星街すいせい
…!







見覚えのある
しっぽと耳が目に入る


ケモノビトの寿命は
1000年以上なのだ


だから、あの時出会った彼女も

500年経った今でも生きていることは
おかしくはなかった






星街すいせい
ふぶさん…!!
白上 フブキ
なんで…ここに、
白上 フブキ
とりあえず…座ってください
星街すいせい
…うん
白上 フブキ
星街すいせい
ふぶさん…!
ミオちゃんは…
白上 フブキ
帰らぬ人となってしまいましたよ…
星街すいせい
…っ、
星街すいせい
ごめんなさい…ッ…
謝って許されることじゃないのは
分かってるけど…その…
白上 フブキ
別に恨んでませんよ…
白上 フブキ
それに…、
ミオが死んだのは、
すいちゃんのせいじゃないですし
星街すいせい
そんなことない…!
私が…!!
白上 フブキ
白上が、ころね達のところへ
たどり着いた時には、
ミオはもう手遅れでした
白上 フブキ
それでも、最後にミオから
こう言われたんです
大神ミオ
すいちゃん達を…恨まないであげて…
大神ミオ
きっと…彼女は…
フブキが…求めていた世界へ…
導いてくれるから…
大神ミオ
だから…すいちゃんを…
信じてあげて…
星街すいせい
白上 フブキ
ミオは占いが得意なんです
そんなミオの言ったことなら…
信じますよ
白上 フブキ
それに、ミオが死んだのは
原因はころねにもありましたから
星街すいせい
…え?
白上 フブキ
すいちゃんがミオを
切った傷、とても浅かったんです
星街すいせい
…っ
あの時、

せめて浅く切れば、
だれか仲間が来てくれれば助かるだろう
と考えた、だが結局
最悪な結果になってしまった
白上 フブキ
だから、ころねがあの時
直ぐに治療してくれていれば
きっと、ミオは生きてた
白上 フブキ
だけど、ころねは
ミオを助けずに人の世界に
おかゆを連れて惨殺を始めたんです
白上 フブキ
ころねは、親友を見捨てて
自分の感情に従った…
星街すいせい
白上 フブキ
それより、他の皆さんは…?
すいちゃんが生きてるってことは
もしかして…
星街すいせい
…死んだよ、みんな
人の王に殺されたんだ…
白上 フブキ
…そう、ですか…
星街すいせい
私は悪魔と契約したからね
願い叶えるまで、生きれるって契約
白上 フブキ
…悪魔?一体すいちゃんは
何をするつもりなんですか?
星街すいせい
…ふぶさんにお願いがあって
いいかな…?
白上 フブキ
いいですよ、お願いは何ですか?
星街すいせい
ふぶさんに、
人の王を新しく決めてほしい…
星街すいせい
私、人の王の一族皆殺しにしたから
きっと今、人の王が居ないんだ
白上 フブキ
しれっと、すごいこと言いますね…
白上 フブキ
すみません、すいちゃん
それはできないんです
星街すいせい
え…!なんで?
白上 フブキ
白上、実はもう王様じゃないんです
白上 フブキ
今の王は、ころねなんですよ
星街すいせい
白上 フブキ
あの戦争の後、
ころねと意見が割れたんです
白上 フブキ
ころねは、人を皆殺しにするって
それに反対したら、
白上 フブキ
自分でやるから、王の座をよこせって
断ったんですけどね、
白上 フブキ
不意打ちくらって、
気絶している間に
王の座を奪われてしまって
白上 フブキ
そのまま
王国追い出されてしまったんです
星街すいせい
…そっか
白上 フブキ
だから、白上にできることは…なにも
星街すいせい
じゃあ、ころねを説得しに行こう
白上 フブキ
え…?、本気ですか?
星街すいせい
うん、でも、
もし説得できなかったら
白上 フブキ
…戦うつもりですか…?
星街すいせい
…そう
白上 フブキ
それなら
十中八九戦うことになりますね…
白上 フブキ
分かりました、白上も行きます
星街すいせい
ありがとうふぶさん
白上 フブキ
いや、もとはといえば
白上達の問題なので
星街すいせい
じゃあ、向かおう、王国へ
白上 フブキ
はい…!






そして、王国へと足を運んだ


向かっている途中、あることについて話した








星街すいせい
そういえば、おかゆちゃんは…?
白上 フブキ
…それが、行方不明なんです
星街すいせい
え…?
白上 フブキ
おかゆんも、
ころさんの考えに反対してたから
王国に居ないことは確かなんですけどね
白上 フブキ
ころさんは…すいちゃんのせいで
おかゆが消えたと思っていますよ
星街すいせい
…じゃあホントに、
話し合いは無理そうだね
白上 フブキ
…はい…、…あ
白上 フブキ
見えてきましたね
もう少しで王国です




星街すいせい
よし…行くか
白上 フブキ
はい…!
城の付近まで来て気がついた

やけに静かだ、

王都ならではの賑わいがない…



兵士や街の民は、
王国の付近で、野宿をしている…
星街すいせい
たしかに…荒れてるなぁ…
星街すいせい
いろは、トワ、ごめんだけど、
またここで待っててくれない?
風真いろは
了解でござる!
常闇 トワ
すいちゃん…、…気をつけて
星街すいせい
うん、ありがとうトワ
星街すいせい
行こう、ふぶさん
白上 フブキ
はい! お城は白上が案内します














お城の外の門にも

中にも…どこにも兵士の姿がない



やけに静かで不気味な感じだった
白上 フブキ
ここが玉座の間です…
ころねはきっとここに、
星街すいせい
わかった、行こう
白上 フブキ
気をつけてくださいよ…
下手すりゃ死にますからね
星街すいせい
わかってるって


ガチャッ

勢いよく扉を開ける

この先にいるのは…










かつての友だ…
???
あれぇ…フブちゃん
なんでここにいるのぉ?
白上 フブキ
ころね…!!
戌神ころね
ゆびゆび~
戌神ころね
お前は…
星街すいせい…すいせい…
戌神ころね
…スイセイ!!
星街すいせい
…!!
ころねと目があった瞬間


ふぶさんを見ていた目とは
全くかけ離れた視線を向けられた



明らかに殺気じみた顔だ
戌神ころね
指切りげんまんユビユビ~
そう唱えた後、
ころねは再び玉座に座った
星街すいせい
…?
白上 フブキ
駄目だ…!!すいちゃん!!
動いたら死にますよ…!!
白上 フブキ
ころねは…!!相手の指の数だけ、
ルールを作れるんです!!
白上 フブキ
そのルールを一つ破ったごとに
体内から針が身体を貫きます…!!
白上 フブキ
だからなにも…しちゃ駄目です!!
星街すいせい
…そんなこと言っ…ッ!!
星街すいせい
ゲホッ…!! い゛っ…!!
戌神ころね
ルール1~
戌神ころね
コエヲダスナ
白上 フブキ
すいちゃん!!
星街すいせい
ハァッ…ハァッ…ハァ…ッ
痛い

息をする度に全身に激痛が…

なんだこれ、いきなり現れて…

針…?…ふぶさんが言ってたのはこれか…


針って太さじゃないぞこれ…



しかも…この針重い…!!

これじゃあまともに動けないし…

よし…、抜くか…?
星街すいせい
う゛らぁっ!!
ブシャッ




嫌な音が耳に届く



そして、再び激痛が体をおそう
星街すいせい
い゛っ…!!
戌神ころね
ルール2~
戌神ころね
ウゴクナ
白上 フブキ
何もしちゃだめです!!このままじゃ、
ころねの思うつぼですよ…!
星街すいせい
…ッハァッ…ハァッ…
白上 フブキ
ころねは、白上がやります…
白上 フブキ
だから、安静にしてて…くださッ
星街すいせい
駄目だ!!
星街すいせい
ゲホッ…ゴホッ…
声を出したことにより、
再び針が刺さる



それでも、なお声を出すことを止めない
星街すいせい
親友をふぶさんの手で
やらせるなんて…いやだッ!!
グシャッ



勢いよく体に刺さった針を抜き

斧を握り、ころねとの距離を一気につめた
白上 フブキ
…!!
戌神ころね
ルール3
戌神ころね
ブキヲモツナ
星街すいせい
グッァ…!!止まるか…!!
体に針が刺さっているのにも関わらず


体を動かし、ころねに近づく
戌神ころね
ころねが拳を握りおもいっきり

こちらに向かって腕を振るう


それを間一髪で避けた






が…
星街すいせい
…!!
戌神ころね
ルール4
戌神ころね
ヨケルナ
星街すいせい
ゲホッ…ハァッ…ヤバい…っ…
さらに、針が突き刺さる

身体中に穴が空いてる…

息が上手くできない…


体に力が入らない…
白上 フブキ
…すいちゃん!!
戌神ころね
ルール5
ころねがゆっくり

倒れているすいせいに近づき

手をすいせいの頭にのせる
戌神ころね
フレルナ
星街すいせい
ガハッッ…!!
強制的に、
ころねに触れている状態にされ


身体にいくつもの針が刺さり続けた






針が刺さるごとに、
身体から力が抜け

意識が遠のいていった
白上 フブキ
ころね…!!やめるんだ…!!
戌神ころね
なんでぇ?こいつはミオしゃを
殺したんだよ?
白上 フブキ
本当は助けようとしてたんだ!!
それを邪魔したのはころね、君だろ
戌神ころね
そんなこと…どうでもいい
戌神ころね
こいつのせいでおかゆが…
白上 フブキ
おかゆんが消えたのは、
ころねが話を聞こうとしなかったからだ
戌神ころね
…ッ!!もういい…!!
戌神ころね
ヒトもケモノビトも…!!
戌神ころね
こぉねの邪魔するヤツは…!!
戌神ころね
ミナゴロシダ!!
白上 フブキ
…、
戌神ころね
早くみこみことゲームしたいなぁ~
次はいつ会えるの?
戌神ころね
みんなが笑い合える場所を
作れたらなぁ~
白上 フブキ
ころね…白上のことも殺すのか…?
戌神ころね
こぉねの邪魔するなら…コロス!!
白上 フブキ
君を思っての行動かもしれないよ
戌神ころね
そんなやつはイラナイ…!!
白上 フブキ
…っ、わかった
白上 フブキ
昔の君はもう…いないみたいだ…
白上 フブキ
なら、君が友人であるから…
なんて関係なくなったな
白上 フブキ
ならば私は…





深く呼吸をし、

握っている刀の刃先をころねに向ける
白上 フブキ
戌神ころね…君を殺すよ
戌神ころね
ミナゴロシダ!!
白上 フブキ
幻想術…化け狐!!
黒上フブキ
黒狐クロ
フブキの髪が徐々に黒色に変わってゆく



そして、深い瞬きをしたその眼は

鋭くかつての友を睨んでいた
黒上フブキ
いくぞ…!!
戌神ころね
…ッ!
黒上フブキ
どうした?防戦の一方ではないか
黒上フブキ
先程の威勢はどうした?
戌神ころね
…ッダマレ!!
近距離戦になれば、フブキの方が
一枚上手だ

しかも、
ころねの、指切りげんまんは
一人にしか使えない

つまり、この勝負はほぼフブキ勝つ可能性が高い


そして、ころねが勝つには、
指切りげんまんをフブキに使わなければならない


ならば、死にかけのすいせいを
放ってフブキに使うべき…
戌神ころね
…指切り解除!!
黒上フブキ
ほら…いくぞ!!
黒上フブキ
幻想術…幻癒ゆり
戌神ころね
(…クル!!)
戌神ころね
…アレ…シッパイシタ…?
戌神ころね
大口叩いてたくせに…
シッパイするんだネ
黒上フブキ
いや、成功したぞ?
黒上フブキ
幻癒ゆりは怪我を一時的に治す術だ
星街すいせい
…よぉ
戌神ころね
…!
白上 フブキ
あれ、効果切れたか?
まぁ…いい
白上 フブキ
王の戦い方を教えてやる
背後から現れたすいせいに

気を取られ、フブキに背中を斬られてしまう

すかさず、すいせいが追い討ちをかけ、

ころねの横腹を深く斬りつけた
星街すいせい
おらぁッ!!!
白上 フブキ
王というものはな…
民を、仲間を、助ける者だ!!
戌神ころね
グああぁぁぁぁーー!!










大量に出血しているにもかかわらず

ころねはまだ、身体を引きずりながら
もがいている
戌神ころね
マダ…!!マダダ…!!
白上 フブキ
…ころさん、もう終わりだ
戌神ころね
ヒトヲ…!!ミナゴロシニ…!!
白上 フブキ
幻想魔法…幻夢げんむ
















目が覚めたところは

知らない場所
たけど、とても温かい
戌神ころね
あれぇ…ここは?
猫又おかゆ
ころさん
戌神ころね
あ!!おがゆー!!会いたかった!!
猫又おかゆ
ボクもだよ、さぁ帰ろう
戌神ころね
帰る?
猫又おかゆ
今、ミオちゃんが晩御飯を
作って待ってるから、ね?
戌神ころね
ホント!?やったぁ!!
猫又おかゆ
帰ったら、
ふぶにゃと四人でゲームをしよう?
戌神ころね
やったぁ!!おがゆ早く帰ろう~!!
猫又おかゆ
うん、帰ろう…
戌神ころね
おが…ゆ……
戌神ころね
白上 フブキ
…友よ
誰もが

ころねのようになる可能性があった


白上だって、
ミオに真実を教えてもらえていなかったら
間違いなくすいちゃんを恨み

殺そうとまでしたかもしれない


そうなってしまったのが
たまたま、ころねだっただけだ


しかもその結果、ころねは一人になり
孤独な道を進んでいた






ならば、
せめて最後は幸せであってほしい

それが、幻だとしても…







安心してくれ、ころね


昔、君が望んだ世界をわたしが作ろう

だから、今は






眠れ…友よ






白上 フブキ


大神ミオ
フブキ
白上 フブキ
…! ミオ…?
夢のような、現実にいる気分だった

目の前にいるのは死んだはずの最愛の人
大神ミオ
ありがとうフブキ
ころねを止めてくれて
白上 フブキ
…うん、でもミオどうして…
生き返った訳じゃないよね…
大神ミオ
これはね、ウチ達がよく知ってる
気まぐれ猫のイタズラだよ
白上 フブキ
そっか、おかゆんが…
大神ミオ
そろそろ時間だ…行かなきゃ
じゃあね…フブキ
白上 フブキ
…うん
大神ミオ
あんまり早くこっちに来ちゃダメだよ?
白上 フブキ
…う゛ん
大神ミオ
泣かないでフブキ…
先にあっちで待ってるから…ね?
白上 フブキ
大好きだよ…ミオ
大神ミオ
…うん、ウチも大好き


笑顔を向けたミオは

霞みの中に消えていった












星街すいせい
ふぶさん?どうしたの?
白上 フブキ
少し、猫に化かされたみたいだ
星街すいせい
…?
白上 フブキ
そういえば…人の王を決めてほしいと
言っていましたね
星街すいせい
うん、お願いしてもいいかな
白上 フブキ
構いませんよ
白上 フブキ
すいちゃんは王になる気はありますか?
星街すいせい
いや、私はいい
できれば、いろはを王にしてほしい
白上 フブキ
いろは?
星街すいせい
ここまで、着いてきてくれた子
二足歩行のたぬきと一緒に歩いてた
白上 フブキ
あぁ、あの子ですね
でもなんで…?
星街すいせい
あの子ならきっと、人とケモノビを
繋ぐ架け橋になってくれる
星街すいせい
あの子はすごいよ
白上 フブキ
すいちゃんが言うなら信じましょう
白上 フブキ
白上が再び王となった時に、
彼女を人の王に任命します
星街すいせい
ありがとう、ふぶさん
白上 フブキ
いえいえ、
星街すいせい
白上 フブキ
どうかしましたか?
星街すいせい
…英雄が必要なんだ
白上 フブキ
…?
星街すいせい
人にとっても、ケモノビトにとっても、
英雄となる人が…
端から見たら、ふぶさんは
ケモノビトの王を殺した犯罪にしか

見えないだろう
ならば、ふぶさんが王になることは難しい




だが、一つだけ











一つだけ方法がある
星街すいせい

ドンドン


いきなり、扉を叩く音が聞こえた
ケモノビトの兵士
王様…!大丈夫ですか…!!
開けてください…!!
兵士がころねの叫び声を聞き

慌ててやってきたのだ
星街すいせい
そりゃあ、あんな叫び声聞けば
人も来るよね…
白上 フブキ
…どうするんですか、すいちゃん
星街すいせい
悪しき力が現れたとき
英雄が現れて
世界を救ってくれるんだよ
星街すいせい
ふぶさん
すいせいが、笑みを浮かべる



彼女は笑っていたが、同時に
とてと悲しそうな顔をしている
ようにも見えた
星街すいせい
…後は、任せたよ?

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