食堂で朝食を食べ終わりお嬢様が部屋でくつろいでいるとき、ふいに私の名前が呼ばれた。
そんな話をていたが、
世界が終わる。
そんな絵空事が、
絵空事なはずだろうと願っていたのかもしれない、
そのことだけがなぜか私の中で確信に近いものとして蠢いていた。
テレビを消そうとする私にお嬢様の静止の声がかかる。
お嬢様は新しくなったテレビに釘付けで、ガジガジしている。
テレビは相変わらず罵倒を垂れ流している。
「彼らのせいだ、彼らのせいだ」
さらには、ボロボロの人を殴ったりけったりする姿。
やっぱり教育上悪すぎない?このテレビ?
叩けば映像が止まるかしら?
レミリアの瞳は赤く輝いている。
お嬢様は知らぬ間に椅子に座って紅茶を飲んでいる。
お嬢様が噴き出した。
若干涙目気味だ。
言っている意味がわからない。
にもかかわらず、お嬢様は言葉を紡ぐ。
うそん。
お嬢様のことだ。
本当のことなのだろう。
急に叫びだす。
暖炉の炎の中から八雲紫が姿を現す。
そのまま「あっちィィィィ!!」とも言った。
何やってるのコイツ。
いやがらせに、暖炉に銅の粉をぶっかけて、「北海道神杭町へ」と叫んだ。
スタ、きれいに着地できた。
さて、あの4人がいる場所はどこかしら?
テレビで見た通り、多くの人が暴力を振り、さらにはその周りにいる人も罵詈雑言を浴びせているようだ。
ははっ、ありがとう!!
その瞬間、ドドドドとなにかが走ってくるような音がした。
何かを手渡された、見ると注射器だった。
毒々しい緑の液体が入っている。
走り去ってしまった。
ヒーローたちの仲間だと揶揄され、追われてしまった。
走って、
走って、
走って、
走った。
気づけば、私は砂浜の上に一人立っていた。
どくどくと鳴る心臓を止めようとゆっくりしゃがみ込む。
おかしい。と感じたのはここに来てからだ。
やけに暑い。
今は12月のはず。雪が降っていてもおかしくない時期。
なのに、夏のように暑い。
茹だるような暑さの中、へたり込んでしまう。
はぁ、はぁ。
やけに呼吸音が大きく響く。
ぐにゃりと、視界が歪み、ブラウン管テレビに映したような色に変わっていく。
ぴしゃ。
水音。
顔を上げると先ほど手当てした人が立っていた。
掠れて、うまく声が出せない。
差し出された飲み物を飲みながら、沈んでいく西日を見つめていると、
地響きがした。
地響きの後、地平線上にとある化け物が現れた。
あ、こいつが、クトゥルフだ。
普段なら、絶対打たないであろうどくどくしい緑のの注射を打ち、心のそこからあふれ出る恐怖を閉じ込めた。
逃げてというが、世界の終わりを止めるためにここにいるのだ。
全く効いていないようだ。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。