私は、すぐに左手を支えた。
左手はぐったりしていて、少し震えが伝わった。
顔色も真っ青。熱もあるみたい。
息遣いが荒く、肩で息をしていた。
トイレに吐いたのだろう。
体調が悪いなら、言って欲しかった。
なんで、私に言わなかったの?
なんで なんで なんでなんでなんで。
ここで悩んでも意味が無い。
私は左手を抱き上げ、ベッドにそっと降ろした。
千トが言ってた最近流行ってるウイルスとやらだろう。
やっぱりあった。
千トはここに置く癖があるから。
左手が起きたら薬飲めるように、水を用意した。
右手と千トに、連絡して氷枕とか買ってきてもらおう。
私は、端末で、『星喰右手』を押した。
…さて、私にできるのはここまで。
あとは右手と千トの帰りを待つしかできない。
左手が、また苦しそうにしている。
変われるなら、変わってあげたい。
私は、左手の頬に手を添えた。
暑くて、少し震えている。
左手は、苦しそうに呼吸しながら私の手に顔を寄せた。
これを見てると、不思議とさっきのモヤモヤは消える。
苦しいのに、私の手に顔を寄せて、安直の表情をしている。
それを見ると、少し優越感に浸れる。
今、左手が頼れるのは私だけ。
この、無防備な顔を見れるのは、私だけ。
私たちは、手分けして、看病を始めた。
ここから下は、右手様同担拒否は見ない方がいいかもです。



















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。