五条悟side
分かっていた
……何となく
いつかこうなってしまうのではないか、って
……蒼空の妹だろ
蒼空によく似て、綺麗な少女に…ガキの頃とは見違えたな
どこまで似たのか、その性格も蒼空譲り
そんな蒼空だったから、俺は好きになったし
蒼空が残した大切なものを
絶対に、危険に晒すわけにはいかない
そう、蒼空と約束した
いつか……一緒になるって願いは…届かなかったけど
兎に角、あなたの下の名前、君には、君だけには
こんな目にはあって欲しくなかったのに
よりによって同じ末路を辿ることになるなんて…
何言ってるの、と言わんばかりに
目を見開いて固まる、あなたの下の名前
自分から勧誘しておいて、
筋違いであることは分かっている
でも
あなたの下の名前に背を向けて歩き出す
廊下にあなたの下の名前の怒鳴り声が響いたが
それは次第に遠退いていく
いくら罵倒されようが
……僕は
蒼空の最愛の妹の君を
絶対
絶対死なせない
守れそうにないな…
そういう運命に……なってしまったから
まだ夏の入り口
夜風が少し身体に沁みた
釘崎野薔薇side
何だか今日は
あなたの下の名前が一段と元気がない
いつもより動きにもメリハリがなくて
すぐ倒れてしまう
…おまけに
話し掛けても全然気が付かない
どこか上の空
……だとすると何かしら
何があったの…?
目も虚ろで若干腫れてるし、隈もひどい
何があなたの下の名前を泣かせたのかしら…
Next…












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。