第8話

7.事件
82
2023/01/06 02:00
はこたろーside 
じらいちゃん
あなたのニックネームちゃん、寝ちゃったねぇ
はこたろー
うん。朝が少し早かったからね、仕方ない
じらいちゃんに返事をしながらあなたの下の名前ちゃんを抱え直す。

初めて来た場所のはずだから、緊張もあったのかもしれない。
しるこ
あれ、あなたのニックネームちゃん寝ちった?
Quartet
しょーがないっすよ。まあ服はあなたの下の名前の好みとか聞きたいから置いといて、家具選びにいきましょ?
ミントス
ですねぇ
揃って目的の家具店に向かう。

歩調がゆっくりなのは、あなたの下の名前ちゃんを抱っこしている僕を気遣ってくれているのだろう。

ありがたい。
しるこ
あなたのニックネームちゃんて、10歳だったよね?
はこたろー
うん、確かそう
しるこ
学校とか、行ってたんかな?
喋り方がさ、何て言うか…舌足らずじゃん?
はこたろー
…確かに、そうだね…
虐待受けてたっていうくらいだし、学校も行ってなかったんだろうね
じらいちゃん
じゃあ、俺たちで教育してあげよ!はこたろーさん教えるの上手そう!
しるこ
はこたろー教えるの上手いよ!飴と鞭しっかりしてるもん
はこたろー
えと、僕のことは取り敢えず置いといて。あなたの下の名前ちゃん用のドリルとかも、後で買いましょうか
これ以上は兄さんが暴走しそうなので、止めておこう。

とはいえ確かに教育は盲点だったかも。

これから生きていく上で、知識は絶対に必要だ。

僕は教育に力を入れることを決めた。

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はこたろー
さて、家具はこんなところですかね
あなたの下の名前ちゃん用の机や本棚などを買い、家に配達して貰う手続きを済ませて家具店から出る。

あとは服と、魔道具の契約か。
あなた
んぅ…
はこたろー
あ、あなたの下の名前ちゃん、起きた?おはよう
あなた
はこにぃ…おはよぅ…
はこたろー
ふふ、まだ眠そうだね
まだ寝てていいよ、と頭を撫でると、再びうとうとし始めた。

その愛らしさに、皆の顔も穏やかだ。



その時。
a1857
ぅわっっっ!?!?
じらいちゃん
わっ、何なに!?
突然大きな爆発音が轟いた。

これには流石にさっきまで寝ぼけ眼だったあなたの下の名前ちゃんも目が覚めたようで、怯えたように辺りを見回している。
しるこ
爆発…?
Quartet
強盗か何かか?
はこたろー
取り敢えず、建物から出ましょう。危ないです
僕の言葉に、皆動き出す。
強盗
そこのお前ら、止まりな
恐らく爆発の犯人と思わしき男が立っていた。

その回りには仲間だろう男たちが何人もいる。

…最悪かな。
しるこ
はこたろー、あなたのニックネームちゃんのこと頼むよ
はこたろー
!…分かった
僕は数歩後ろに下がり、代わりに兄さんとミントスさんが前に出た。
しるこ
なぁにぃ?こんな平日の真っ昼間から騒ぎなんか起こしてさぁ。
暇だねぇ?あんたら
ミントス
こらこらしるこさん、煽んないでくださいよぉww
雑魚なんか相手にしたって、意味ないですよぉ?
強盗
な、何だと!舐めやがって!やっちまえ!
リーダー格の男の声で一斉に襲いかかってくる。

と言っても物理ではなく、異能で攻撃して来た。

でも、彼らは分かっていない。

今目の前にいる二人が、国内でも随一の実力者だって。

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