放課後。
私は特に予定もなく、教室で鞄を片付けていた。
声をかけてきたのはカルマだった。
椅子に座ったまま、いつもの余裕の笑顔。
“でいい”って言い方がずるい。
断る理由もなくて、私は小さく頷いた。
校舎を出て歩いていると、前から他クラスの男子が手を振ってきた。
自然と肩に体重が乗った
そのまま歩き出すカルマに、私は小声で言う。
振り返ったカルマは、何も知らない顔
ずるいよ…
放課後、帰り道。
夕焼けのせいか、やけに空気が静かだった。
カルマが前を向いたまま話し出す
急すぎて足が止まる。
カルマは振り返って、少しだけ真剣な顔をした。
一瞬言葉に詰まる
それだけ言って、いつもの笑顔に戻る
私がそう言うと、カルマは少しだけ目を細めた。
近づいて、耳元で小さく。
心臓がうるさい。
——これ、本当に「からかい」だけ?
次の日の昼休み。
私は渚と話しながらお弁当を食べていた。
その瞬間、後ろから聞き慣れた声
そう言いながら、カルマは渚を一瞬だけ見る。
笑ってるのに、どこか圧がある。
カルマはクスッと笑った
渚が苦笑しながら立ち上がった
残されたのは、私とカルマだけ。
カルマは少し考える素振りをしてから言った。
……余裕そうなのに、ずるい。
体育の授業中。
私は別の班の男子とペアを組んでいた。
そう声をかけられた瞬間、
遠くからカルマと目が合った。
にこっと笑って、手を振ってくる。
……なのに、なぜか怖い。
授業後、私は呼び止められた。
カルマは周りを見てから、少しだけ声を落とす。
一拍置いて、続ける。
即答だった
カルマは肩をすくめて笑う。
……心臓に悪い質問しないで。











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。