第8話

玄関でのお話
4,008
2024/03/24 05:38
晴れた昼下がりのこの頃、あなたはリビングのソファーでゴロゴロしていた。
(なまえ)
あなた
んにゃ~…
一言で表すと彼女は溶けている。休日の為、特にすることもない。起きてパジャマを脱いだ後に服を着ることもせず、ソファーに寝転んだ。
お陰で黒で統一されたキャミソールとパンツ状態であった。すると、朝からずっとゴロゴロしているあなたを起こすようにインターホンがリビング中に響き渡る。
(なまえ)
あなた
…何か頼んだっけ…?
何か注文した覚えの無いあなたは大きめのシャツを着た。それ一枚でパンツまで隠れる程サイズが大きいのである。重い体を玄関の方まで歩いた。
玄関に置いてある黒色のサンダルを履いてドアを開けるあなた。 「 今出まぁす 」 と呑気な声を出して外にいる人を確認した。
………。
(なまえ)
あなた
ぇ…
そこには七三の黒髪の血塗れになった高身長男が立っていた。その男はあなたを威圧するように見下している。例えるなら…そう、ヤクザのようだ。借金取りのように、あなたから金を巻き取ろうとしているのだろうか。
全身血塗れの男。普通なら恐がる。ただあなたは恐がることもなく嬉しそうにはにかんだ。そして彼に勢いよく抱きついた。
(なまえ)
あなた
トンちゃーん!
ちょッ…あなた!何て格好してんねん?!
あの怖い状況はどこに行ったのやら、今は和やかな風景が流れる。あなたは えへへ と男に笑みを向ける。その顔を見た男は顔を真っ赤にすると隠すように口に手を当てた。
彼の名は " トントン " 。あなたの幼馴染みである。幼馴染みと言っても歳が近い訳ではない。因みに歳の差はトントンは18、あなたは23の5歳差であった。
歳の離れた幼馴染み。あなたが小学5年生の時、此処等に引っ越してきた小学1年生トントンとはご近所付き合いとしてあなたに遊んで貰っていた。そこから今まで仲が良く、よくお互いの家に遊びに行く程だ。
因みに最近あなたは仕事が忙しく、トントンは一応高校3年生という立場で学業に専念しており中々会えていなかったのだ…ということをあなたは思っているが、全く持って違う。皆様もお分かりの通りトントンは不良である。一応学業には専念しているが、それ以外はつるんでいた不良仲間と遊んでいたのだ。
tn
いいからはよ服着て…!頼むから!!
(なまえ)
あなた
落ち着いてトンちゃん。一応パンツは隠れてるからだいじょーぶ。
tn
そういう問題ちゃうねんッアホッ!!
久々に出してきたアホっぷり。トントンに頬を軽く引っ張られるあなたは 「 いひゃぃ~ 」 と嘆いていた。
文面から見れば怒っているように感じるトントンだが、あなたに会えた喜びが隠しきれていないのか頬は緩みに緩んでいる。そんな彼らはまるでカップルの付き合っているようだ。
 
 
   今回ご飯無し!
   ということで次回はちゃんとご飯あります !
   お楽しみに !

プリ小説オーディオドラマ