思わず絶句してしまった。
色の無い街並み。
人こそいるが、活気がある訳じゃない。
言葉を選ぶなら、
感情の無い人形の街。
頬を引っ張った際、確かに痛かった。
……ただ、これが現実だと言わせるならば、
社会情勢や近代化の話が気になる。
まぁ、確かめる術なんて、
持ち合わせていない訳だけど。
この時、ドアに鍵すらもかかっていない事や
…違和感に疑念を抱くべきだったんだろう。
ビルや地面の質感、人々の体温など
細かいところもしっかり出来ていた。
創造者にはこの光景が慣れていたのだろうか。
この景色に、もしかしたらみんながいるかもしれない。
小さな小さな希望だったけど、
それ以外に辿るものが無かったのかもしれない。
人混みに紛れて、あの明るい髪を探す。
何人か、それらしき人はいた。
でも、違う。
そう思った瞬間だった。
ふわっ、と仄かに香ったシトラスの香水。
見間違いかと思った。
勘違いかと思った。
目は間違っていなかった。
嬉しかった。
それでも、肩に手を置いた途端、
パシッッッツ、、、、………
手を払い除けたりうらからは、
憎しみと怒りと悲しみで満ち溢れていた。
そして何よりも、
冷たく凍えきった瞳からは、
俺の心を突き落とす言葉が響いた。
別人だと願いたかった。
訂正されるんじゃないかと思った。
でも、その言葉は、
腹の底から出た〝本音〟だった。














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!