コトッ…
涼しい風がこのテラス席を静かに吹き抜けた。
朝よりもとても気温が高く暑い。
飛び出したのは事実。
でも何で親と一緒に帰ったはずのあいつが引かれたんだ?
親御さんだって自殺はありえないと言っていた
何なんだよ…
容疑者扱いなんだねと苦笑いして二人が言う。
でも、もしかしたらいじめられていたのかもしれない。
たばこや酒を買うために夏月を金稼ぎの道具として利用し、
それに疲れて…
_そうだとしても信じたくない。信じられない。
なんで助けてやれなかった?
なんで隠した?
できることはなかった?
_どうしたら良かった?
なんで?そう聞き返すと夕凪もそういえばという顔でこちらを見た
そういえば、鞄やらなんやら必要なものだけ取り出して放置してある。
軽く頷くとよし!と言って立ち上がった。
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俺の家に_
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積み重なった段ボールと必要最低限の生活できるものを見て言った。
高校のころ使っていたものは実家に送って処分してもらうつもりでいた。
三人で高校のころの荷物を
端から端までしっかり探した
だがなにも証拠品となるようなものはない。
そう言って俺は使っていたものはファイルを取り
3つ入れることができる場所を探した。
やはりないか。
一番うしろの所を見た。
奥の方に1枚の紙切れ
四つ折にされていた紙をそっと開いた。
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悠馬がこれをいつ見るか分からん
でも、俺が死んだ後。だろうな
俺は千と智也にずっと金を渡している。
少しでも少ないと殴られる
だから: ه҈҉҉҉҉҉҉҉: ه҈҉҉҉҉҉҉҉: ه҈҉҉҉҉҉҉҉: ه҈҉҉҉҉҉҉҉: ه҈҉҉҉҉҉҉҉: ه҈҉҉҉҉҉҉҉: ه҈҉҉҉҉҉҉҉
ごめんな
ありがとう
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!