次の日会ったときの夏月と言ったら恐怖でしかなかった。
頬は赤く腫れ上がり、左手の指には包帯を巻いていた。
あの二人は今日はとても静か。
だが、睨みつけるように夏月を観察しているようにも見えた。
でも、それ以来痣も見なくなり元気になったのだと思っていた。
あの二人ももとに戻っていたし。
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約1年後
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俺らは今日で卒業だ。
俺は就職先が決まり一安心。
夏月には何も聞いていない。というより教えてくれない
でも、何にしろ離れ離れだ。
ううん、何でもないと言ってその話は終わった。
仲の良かった奴ともしっかりお別れをした。
幼馴染とは成人式でまた会えるがな
夏月とはいつでも会えるだろう。
そう思っていた。
『ゆーま!夏月が!』
__時頃○✕の交差点で信号無視による事故が__
○○高校の生徒で卒業式からの帰宅途中だったものとみられ__
即死だった_
『ゆーま大丈夫かな…?』
『自殺なんじゃ_』
『自殺の理由なんてないだろ』
『千と智也がなんかしたんじゃ…』
運転手によると飛び出してきたと話しており___
__あの野郎…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!