第6話

心配(リク)
188
2024/06/08 12:06
部屋に差し込む朝日が、部屋を照らす。
窓の隙間から爽やかな風が差し込み、
一日が始まる。
司波仁
司波仁
………んぅ゙
少し掠れた声をあげる。
いつもよりも重い瞼を上げ、起き上がる。

仁はその時、ある違和感を覚えた。
司波仁
司波仁
……怠い
倦怠感、身体の火照り、喉の痛み
その症状で、仁はすぐに理解した。
司波仁
司波仁
風邪か…
昨日の依頼は、捜索届の出た女性を捜すことだった。
途中から雨が降ってきたが、警察の手もあり、なんとか見つけることができた。

だが、長時間雨に当たっていた仁が風邪を引くことはもはや目に見えたことだった。
司波仁
司波仁
(おっさん達に迷惑かけたくねぇし)
司波仁
司波仁
(黙っとくか)
仁はそのまま、瑠衣達の居る事務所へ足を運んだ。
物怪瑠衣
物怪瑠衣
仁、おはよ!
仁が事務所に来た頃には、瑠衣が既に来ていた。
司波仁
司波仁
嗚呼、はよ
仁はそう素っ気なく返すと、すぐにソファに身を投げた。
枯柳杖道
枯柳杖道
仁、大丈夫か
司波仁
司波仁
何が
枯柳杖道
枯柳杖道
昨日は数時間、雨に当たっていたからな
枯柳杖道
枯柳杖道
それに、仁の顔が少し火照っていたように見えたからな
流石、師匠と言った所か
杖道は仁の変化に一番に気付いた。
司波仁
司波仁
……何もねぇよ
仁はそう返すと、クッションに顔を埋めた。

内心、「今日は依頼が来ないといいな」なんて考えながら。
ミス
なぁ
仁の祈りも虚しく、依頼が来た。
仁には、依頼を断るという選択肢がない。
探偵というプライドがそれを許さない。
枯柳杖道
枯柳杖道
ミス、依頼要件は?
ミス
なぁ…
ミス
事件依頼です
ミス
推定項目___
ミスから依頼要件を聞いた杖道は仁に聞く。
枯柳杖道
枯柳杖道
どうする、仁
司波仁
司波仁
決まっている
司波仁
司波仁
この依頼、ホークアイズが引き受ける
そう言うと、仁は瑠衣達と現場へ向かった。
現場へ向かう時から、仁の熱は少しずつ上がっていった。
最初は耐えていたが、次第に仁の足取りは重くなっていった。
司波仁
司波仁
…………はぁ
物怪瑠衣
物怪瑠衣
仁、ホントにダイジョブか?
流石に瑠衣も気付いたようだ。
仁に心配の声を掛けたが
司波仁
司波仁
嗚呼、大丈夫だ
そう返され、何も言えなくなった。

そのまま仁達は現場へ向かった。
だが、体力に限界が来たのか、仁は立ち止まってしまった。
枯柳杖道
枯柳杖道
仁、どうした?
仁の視界が、左45°に傾く。
その瞬間に杖道が仁を支える。
物怪瑠衣
物怪瑠衣
やっぱ熱あんな〜
枯柳杖道
枯柳杖道
今回の依頼は他に回そう
そう話していると、誰かが声をかけた。
司波律
司波律
あ、瑠衣くん達じゃん
司波律
司波律
どうしたの?
どうやら律が帰る途中だったようだ。
杖道が事の説明をすると、律はすぐにこう言った。
司波律
司波律
なら俺が送っていくよ
司波律
司波律
2人は連絡入れといて
そう言い、仁を抱いて家へ帰っていった。
司波仁
司波仁
………ん
仁が目覚めると、そこは仁の部屋だった。
水分補給補給用のペットボトルや薬が雑に置いてあり、
恐らく汗を拭くために使ったのであろうタオルが置いてあった。
司波律
司波律
あ、仁起きた?
司波律
司波律
おはよ〜
濡らしたガーゼを持っていることから、律が看病していた事がわかる。
いつも聞いている声に安心したのか、仁は律に抱きついた。
司波律
司波律
寂しかった?
司波律
司波律
ごめんね、仁が汗掻いてたからガーゼ濡らしてきたんだ
そう言いながら、律は仁を優しく抱き返す。
ホッとしたのか、仁はまた眠ってしまった。
司波律
司波律
もう無理しちゃ駄目だよ?仁
そう言い、律は仁の頭に軽くキスを落とした。
天邪鬼
天邪鬼
あの、もしよければなんですが
天邪鬼
天邪鬼
仁がクッションに顔埋めてるシーン描いてくれる人いますか?
天邪鬼
天邪鬼
本当にやらなくてもよろしいのですが、よかったらお願いします
天邪鬼
天邪鬼
それでは、さよなら。

プリ小説オーディオドラマ