第2話

『当たり前』
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2022/08/29 13:50 更新
いふ
いふ
行ってきます。
無人の部屋に一応そう言って家を出る。
…一人暮らしやし、再度言うように誰もおらんから鍵も閉めて。と、
マンションを出ると、春風が心地よく当たる。
俺はいふ。今春、高校2年生。
いれいすっていう歌い手グループ(歌い手は歌手の一歩手前みたいな人)のメンバー。
今日はそのいれいすのライブの練習。
いふ
いふ
時間、まだあるな…
時計を見ると、集合時間までまだ時間があった。
なので俺は少し遠回りになるけど川の方の道へ行く
今の時期、桜がきれいやから。
いふ
いふ
やっぱり、きれいやなぁ。
桜を眺めながら歩いていると、
ないこ
ないこ
いふまろ、おはよ。
いふ
いふ
あ、おはようないこ。
ないこに声を掛けられた。
ないこはいれいすのリーダーで、俺と同い年。
ないこ
ないこ
珍しいね、いふまろがこっちの道通ってるの。
いふ
いふ
桜、きれいやし、時間あるから見ていこうと思って。
ないこ
ないこ
確かにきれいだよね。
…花びらの掃除は大変だけど。
いふ
いふ
あー、こんだけ咲けばな。
ないこの家は、この川の近く。
だから風でベランダとかに花びらが飛んで来るんだろう。
ないこ
ないこ
もう最近は春休みだけど忙しいから、
放ったらかしで溜まる一方なんだよ…。
いふ
いふ
桜の時期が終わったら掃除したらどうや?
ないこ
ないこ
うん…時間があればやる。
悠佑
悠佑
おー、ないことまろやん。
ないこがそう答えた所で、あにきに声を掛けられた。
あにきこと悠佑。
いれいす最年長(設定)で、俺と同い年。
ちなみに最年長は設定。
正確には俺が12月、あにきが1月で早生まれやから俺の方が上なんやけど、
兄貴のほうがそういうのは向いているからそうなっとる。
ないこ
ないこ
あ、あにき。
おはよう。
いふ
いふ
おはよう、あにき。
悠佑
悠佑
おはよう
やー、咲いとるな〜。
ないこ
ないこ
だね。
いふ
いふ
やな。
…って、あにきもこっち、遠回りやないっけ?
悠佑
悠佑
春は大体、ここ通るんや。
これも兼ねて。
あにきはそう言って手に持っていたビニール袋を持ち上げる。
…その辺に落ちているゴミを拾っているよう。
今は花見の時期やし、多いんやろうな…
ないこ
ないこ
…やっぱり、あにきってそういう所凄いよね。
いふ
いふ
多分俺やったらそこまで気が回らんわ。
悠佑
悠佑
気になるからやってるだけやで?
いつもメインはランニングやし。
当たり前のように言うあにきは…やっぱり凄いと思う。
悠佑
悠佑
あ、反対側に子供組おるで?
あにきに言われて川の反対側を見ると、子供組の三人が揃っていた。
あ、子供組っていうのは、いれいすの俺らを除いた残りの3人のメンバーのこと。
ちなみに俺らは3人で大人組。
ないこ
ないこ
なんか、りうらが花見してから来るって言ってた気がする。
いふ
いふ
ああ、俺も誘われたけど、
集合時間に間に合うか不安で断ったんやっけ。
ほとけ
ほとけ
あ、ないちゃーん、いふくーん、あにきー!
ほとけが俺らに気づいたようで、そう声を掛けつつ、
俺らに手をブンブン振る。
ほとけ、正式名称・-hotoke-。
俺の1個下、高1でいれいすのメンバー。
本人はイムくんって呼んでほしいと言っているが、
メンバーの中で普段からそう呼んでいるのは1人しかいない。
りうら
りうら
ほとけっち、うるさいよ?
続けて聞こえたのはりうらの声。
りうらはいれいす最年少(これも設定)で、ほとけと同い年。
好きなものはひよことポテト…らしい。
高校生にもなって、野菜嫌い。
初兎
初兎
やな、いむくんももう少し大人しくしような〜?
そう言いながらほとけに圧をかけているのが、初兎しょう
りうら、ほとけと同い年で、正確には最年少。
りうらとほとけが11月生まれで、初兎が1月生まれやから。
ないこ
ないこ
うん。集合場所じゃないのに揃ったね…。
悠佑
悠佑
珍しいなぁ。
いつもは誰かが遅れるのに
いふ
いふ
確かに、子供組とか遅れやすいよな。
りうら
りうら
いふまろだって遅れるでしょ…
ほとけ
ほとけ
りうちゃん、初兎ちゃん。
あっち側、渡らない?
初兎
初兎
もう少し先に橋、あったよな
それから、子供組と合流して、
いつもの場所でライブの練習を始めた。
夕方、帰り道。
ほとけ
ほとけ
ねえねえ、みんなでお花見したくない!?
いつもの練習場から出て、少しした所でほとけがそう言う。
悠佑
悠佑
お、ええやん。
ないこ
ないこ
いつやる?
りうら
りうら
明日!
いふ
いふ
一応、明日も暇やで。
初兎
初兎
僕も暇やな。
ほとけ
ほとけ
僕もー!
悠佑
悠佑
ライブの練習前やったら暇やで。
ないこ
ないこ
俺も暇だから…
明日の8時、川の〇〇橋に集合だね。
俺らが全員暇やったので、
ないこが集合時間と集合場所を決めてくれた。
ほとけ
ほとけ
楽しみだな〜♪
初兎
初兎
やな。
悠佑
悠佑
俺、今日バイトやからこっち側行くな。
あにきが交差点の所でそう言って、俺らと別れる。
ないこ
ないこ
あ、俺らもここで別れないとか。
りうら
りうら
そうだね。
ほとけ
ほとけ
初兎ちゃん、お昼一緒に食べない?
初兎
初兎
ええよ。
ないこ
ないこ
ほとけっちと初兎ちゃんは駅までUターン?
ほとけ
ほとけ
うん。
初兎
初兎
いむくん?
行くで〜。
ほとけ
ほとけ
あ、初兎ちゃん、待って〜!
みんな、ばいばーい!また明日!
いふ
いふ
ん、じゃあな。
ほとけとしょにだは駅の方に向かって行く
りうら
りうら
ないくん、帰ろ?
ないこ
ないこ
そうだね。
じゃあ、いふまろまた明日
いふ
いふ
ん、明日な。
そう言って俺らは別れる。
…少し歩いた所で、信号が変わるのを待っていると、
赤信号なのに止まりそうな気配のない車が走って来とるのが見えた。
よくよく見ると、運転手が気絶していた。
いふ
いふ
(ここ、人通りも車通りもあんまり多くないが…危ないよな。)
車を止めることはできないから、
せめて誰かが横断歩道を渡ったりしないようにしないとな…。
そう思っていると、俺の横から小学生くらいの女の子が横断歩道を渡りだした。
いふ
いふ
っ!
青信号だから、よく周りを見ていなかったんだろう。
急な事やったから、俺も反応ができなかった。
いふ
いふ
(このままやと、あの子…ひかれるな。)
そう思ったと同時に、俺の体は動いていた。
交差点に入って、その女の子を押して…
少し強く押したから転んでしまうかもしれないが、
車にひかれるよりかましだろう。
意味がないかもしれないが、少し足に力を入れて、衝撃に備える。
いふ
いふ
(俺、車にひかれてこのまま死ぬんかな…?
 どうせ死ぬんやったら、ライブの後とかが良かったな…。)
そんな、今は全く関係ないことを考えた所で、
俺の意識は、途絶えた。
Hisui
Hisui
やほやほ☆Hisuiです!
いふ
いふ
…。
Hisui
Hisui
なんか喋って〜!
いふ
いふ
ん、
Hisui
Hisui
それだけ!?
いふ
いふ
…そこまで言うなら黙るで?
ないこ
ないこ
まあまあ、後期くらいゆっくり喋ったげて。
悠佑
悠佑
まろがこんなん嫌やってことはよう分かるから。(撫
いふ
いふ
始めに書いてあったけど、こんなんないやろ!!
Hisui
Hisui
そういうストーリだ☆
いふ
いふ
こいつマジで1回殴る。
ないこ
ないこ
いふまろ、落ち着いて!?
Hisui
Hisui
そーだそーだ!
ないくんの言う通りだ!
いふ
いふ
…(怒)
悠佑
悠佑
Hisui、煽るのやめたれ。
Hisui
Hisui
はぁい。
ないこ
ないこ
ってか、Hisuiの原案見たけど、こういう系多いよね。
Hisui
Hisui
ぽえ?
小説ってこういうストーリじゃないっけ?
悠佑
悠佑
まあ、大体何かしら起きるよな。
いふ
いふ
その方が読み応えがあるから。
Hisui
Hisui
ってことでいふくんがその役なんよ。
いふ
いふ
だ・か・ら、嫌や!
ないこ
ないこ
まだまだ続くみたいなのになぁ。
悠佑
悠佑
ってか、まだこの話の山場って後やろ?
Hisui
Hisui
うん。
いふ
いふ
…はぁー…
Hisui
Hisui
いふくんが諦めたとこで、次回予告、悠くん!
悠佑
悠佑
え、あ…次回、「一方で…」(仮タイトル)
これは、俺の視点になっているらしいで。
ないこ
ないこ
そうなんだ。
Hisui
Hisui
では締める〜!
大人組+Hisui「おついれ!」

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