朝っぱらから私の家に押しかけてきた東卍メンバー。
どうやら海水浴に私を連れ出したいらしい。
そう言って私がドアを閉めようとすれば、ドアが指の形に凹むんじゃね?っていうぐらいの勢いで掴まれた。
ニコニコの三ツ谷こえーっす。
うちの三ツ谷、他のとこの三ツ谷と違ってめちゃくちゃ攻めてくる怖い(メタい)
第一自分の体に自身がない。
そうやって一瞬でも外に出ようとした私が馬鹿だった。
すぐ引きずり出されそうになり、また玄関の扉を隔てて攻防が始まる。
今回は三ツ谷+マイキーだ。
2対1は卑怯すぎねえか?
マイキーがふと思いついたように手を離した。
そのせいでこじ開ける力が弱まり、閉める力の方が強くなる。
危うく三ツ谷の指挟むところだった。
そういえばあなたも女だった!
みたいな感じで言われても。
しかも今生理違うし。
つかデリカシー無さすぎんか???
またドアをこじ開けようとマイキーの手が動いた。
彼が話を聞いてくれると言うなら安心だ。
まず中2にもなって体に凹凸ひとつないなんて恥ずかしすぎるから行きたくないというのが1つ。
それを言うと皆はちょっと納得してくれた。
クラスの女子たちが話していた。
海水浴は日に焼けるからやだよね〜って。
この見た目で日焼けしてたら私完全に女としての自覚あんのか疑われるじゃんかということで、美容のために行きたくない。
去年と同じ水着をタンスから引っ張りだしてカバンに詰めると、バイクに跨って海へとひとっ走りする。
道中でパーが高い日焼け止め買ってくれたし朝と打って変わってウキウキな気分で私はバイクに乗っていた。
この後誰が私に日焼け止め塗るかで揉めたし、パーカー着てたら脱げと叱られた。
しかも後から合流したエマの発育の暴力に私はトイレに閉じこもり、また三ツ谷&マイキーvs七瀬の攻防戦が始まったのであった。
結局2人がパーちんに頼んでドア半壊したって言う話。
そして帰りには不良に絡まれた。
私たちが海行くと絡まれるのなんでなんかな。
ま、ぶっ飛ばすだけだからどーでもいいけど。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。