ユーダイは満足げにスマホの画面を閉じると、大きく背伸びをした。時刻は深夜2時前。あんなに騒いでいたリビングに、ふっと静寂が戻ってくる。
ユーダイ達が音楽などを流し、それに対しケイタが怒っている。
ケイタがみんなを起こし、今日料理をする人を決めるじゃんけんをすることになった。
私以外が「👊」。私が「✌️」を出してしまった。
私は料理を作るのが然程上手ではないため4人に料理を振る舞うのはすこし勇気が必要だった。
私が買い物に行ったり料理を作っている間に皆はまた寝ていた。
メンバーいびきを聞きながら、私は淡々と料理を作っていく。
朝6時。リビングに漂うある匂いでメンバー達が一人、また一人とゾンビのように這い出してきた。
じゃんけんで負けた私は、キッチンに立ち、巨大なエビフライを振っている。
目をこすりながら現れたマークが、カウンターに並んだ光景を見て絶句した。
テーブルの上に並べたのは、名古屋めしのオールスターだ。
・山盛りの小倉トースト
・巨大エビフライ
・味噌たっぷり「味噌カツ」
・あんかけスパ
そう言いながらもしぶしぶ席についたケイタだったけど、Tastyと言いながら一口食べた瞬間、顔色が変わった。
どうかな、美味しいかな…と緊張していたが、四人の笑顔を見てその感情はすぐに消えた。
ユーダイがカメラに向けて、完食間近の空のお皿を掲げる。
私の作った愛知の味が、不機嫌だった彼らの胃袋を完全に掴んだ瞬間だった。
カオスで賑やかな大食い企画の撮影は、大成功のうちに幕を閉じた。
メンバーたちがパンパンになったお腹を抱えてリビングで休んでいる中、私は一人、大量の洗い物と格闘し始めた。
山積みの皿を片付け終え、一息つく。ふとリビングを見ると、爆食して満足げに寝落ちしているメンバーたちの姿。大変だったけど、地元・愛知の味を「うまい」と完食してくれたのが嬉しくて、つい顔が綻んでしまう。











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。