第5話

 05:究極かわいい女の子 
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2025/03/19 01:05 更新










 朝の光の粒が、バス停看板に付いた水滴に
 反射してきらきら光っている。

 冬の頃とは違う、青みを増した空と
 緑が混じった桜の木は
 完全に春の気をこの街に運んできているようで。


 私は時間通りに到着したバスに乗って
 席に座りながら、そんな春を帯びた景色を
 眺めては胸を躍らせていた。




あなた
  ( そういえば、結局ライに 
  聞くかどうか迷うなぁ )





 私が探しているヒーローのこと。

 1個上のライなら、その人のことを
 知ってるかもしれない。


 だけど、誰かの力を借りてでも
 早く見つけたい気持ちと
 自分だけで見つけ出したい気持ちが
 せめぎ合った結果、
 なんとなく後者が勝ってるような気がして。


 だからライにはまだ、
 私が受験の時に起きたあのことを
 まだ話していない。




あなた
  ( …まあ手がかりなんて
  ほんの少ししかないんですけど )





 自分の力だけで探し出すのなんて
 無謀だって分かってるんだけど。

 それでも、あの時体調の悪い私を見つけてくれた
 あの人みたいに、私もあの人を自分の力で
 見つけ出したいって思うの。

 そんな、勝手に作りあげた私のエゴなのだ。









あなた
  ( バスにはいなかったなぁ )  





 廊下を歩きながらそう思い返す。

 あの人と出会ったのがバスだったこともあり、
 今日の朝一緒に乗ってた人たちを
 かなりセンサーを張って見てたつもりだったけど
 それらしき人は見当たらなかった。


 バス通だと思ったんだけどなぁ…
 あの時はもしかしてたまたまだったのかな。





あなた
  ( …あ!それか時間帯が違うのかも! )  





 歩みをピタリと止めてそう思いつく。

 すると急に、背中にゴツンと何かが
 ぶつかってきて、
 …その何か、いや“誰か”は
 「あたっ」と短く声を上げた。





あなた
 え? 
 . 
 わっごめん!! 
あなた
 あ、…ごめん急に止まって! 





 きっと私の後ろを歩いてて、
 私が急に立ち止まったせいでぶつかって
 しまったんだろう。

 体を向き直してその子を見ると、
 果実みたいな深い赤色に差し色の白が
 いちごミルクを連想させる髪を揺らした
 女の子としっかり目が合った。





 . 
 ううんベリーこそごめん、  
 全然前見てなかった!
 . 
 …って!
 もしかして2組? 
あなた
 あ、うん!そっちも? 
 . 
 えっベリーも2組だよー! 
 よかった合ってたぁ! 
 . 
 名前なんて言うの? 
あなた
 あなたの名字あなた! 





 初めて会う人に自分の名前を言う時は
 いつも少し緊張してむず痒い。

 そんな私に女の子は
 顔をぱぁっと明るくさせて。





 bry
 あなたちゃんかぁ! 
 早乙女ベリーです 
 よろしくね〜!





 





 教室一緒に行こっ!と弾んだ声色を
 響かせた女の子…ベリーちゃんは
 にっこりと可愛らしい笑顔を浮かべる。

 ふわふわ揺れる髪と綺麗に持ち上がった
 まつ毛が、The女の子って感じで
 女の私から見てもとっても可愛かった。










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