先輩の伝言はそれくらいで、あとは全体に
と伝えるくらいだった。
先輩、大丈夫だろうか。
きっと不安だろうな…。
合宿は楽しいけど、終わらないのがもどかしいという初めてのきもち。
先輩は今、どうしてるんだろ。
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あなたside
翔陽くんは今、何しとるんやろな。
私は、仙台行きの新幹線に乗っていた。
お腹は空いてない。
食欲がない。
しばらくして、電車は何事もなく駅に着いた。
何かあって欲しかったと少しだけ思う。
お母さんの姿なんて見たくなかった。
できるだけ目を逸らしていたかった。
ホームは、蒸し暑い。
指定された病院に向かい、
受付で病室を教えてもらう。
病室には、お母さんがいた。
寝ている。
穏やかな呼吸音に混じって、機械の音も聞こえる。
口に出してみても、お母さんは起きない。
正直、複雑な気持ちだった。
お母さんに苦しめられた私がいることは事実や。
けど、お母さんのおかげで食い繋いでた事実もある。
私は、どないすればええんや。
行き場のないもやもやを、どこに持ってけばええん。
電車の中で、電話を通じて、
警察の人から説明を受けた。
お母さんは、市内のアパートで見つかったらしい。
そのアパートの名前を私は知らなかったから、
たぶん、新しい彼氏かなにかのアパートなのだろう。
部屋の住人である男性(つまり、恐らくお母さんの彼氏(仮))の部屋には、お母さんしかいなかった。
お母さんは、出血や怪我こそなかったものの、意識のない状態で倒れていたそうだ。
回覧板か何かを届けにきた近所の人が、鍵が空いていることに気づき、中に入ってみると、お母さんが見つかったとのこと。
さらにお医者さんがやってきて、説明してくれた。
血中の濃度から、恐らくお母さんは睡眠薬を過剰摂取してこうなったであろうこと。
そのうち目が覚めるとは思うが、警察の情報などから察するに男女のトラブルによる服薬自殺未遂で、継続的な心身のケアが必要であろうこと。
もしかしたら精神病棟などに入ったほうがいいかもしれないこと。
高校生の私に言われたって、できることとか、
なんもないやろが。
ヘビー過ぎる話や。
今朝まで、翔陽くんと一緒に居れたのに。
お医者さんが出て行って、私は一人病室に残された。
いっそお母さんが死んでしまったなら、
と碌でもないことを思ったり、
生きていてくれてよかったと思ったり、
手続きがめんどいと思ったり、
部活には出られんくなるんかなぁと心配になったり、
…翔陽くんに会いたいって思ったり。
会いたい。
となりに、いてほしい。
一緒に居れば、この現実のやりきれなさも、
少しだけ軽くなる気がしてならなかった。
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後日。
お母さんが入院してしまったこと、それで早退したのだということだけを手短に伝えて、私はキャプテンの澤村さん&清水先輩に頼んだ。
お母さんを一人にするわけには行かない。
恐らく男女間のトラブル的なことで自殺未遂までしたお母さんを一人にしておけば、また自殺を図るかもしれんし、とにかく何をしでかすかわからんから、こうする他に手がなかった。
そして、それはその日のうちに部活内で共有された。
みんな理解を示してくれてよかった。
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その日はちゃんと部活に出て、帰る時間になった。
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日がくれても、世間は夏休みなのでまだまだ暑い。
間を空けて応える月島くん。
彼の顔には困惑が滲んでいた。
少しずつ、話した。
母の家系は学歴重視の風潮があって、だから学歴を気にしない父と反りが合わず、離婚したこと。
シングルマザーになった母のストレスは募っていき、ネグレクトや虐待じみたことをされていたこと。
他にも、成績は完璧であれという母の教育方針から、教育虐待のようなものを受けていたこと。
中学受験で失敗したので、推薦狙いで強制的にバスケ部に入らされたこと。
バスケ部でも色々あり、男の子が苦手になったこと。
…改めて振り返ると色々あったな…
(※まだ17歳)
月島くんが固まってしまったので、そう声をかける。
ぶつくさ言いつつも、私はほっとしていた。
良かった、月島くんが受け入れてくれて。
二人の間に割って入り、手で制す。
二人が言わんとしていることは、何となくわかった。
それらを言うと、二人は黙ってしまった。
珍しく二人が意気投合しとる…
人間、共通の敵を見つけると結託するて言うしな…
ってことは、私は敵なんか??
などと自問自答していたとき、月島くんがゆっくりと言った。
ほっとして笑った。
注意喚起も含めて微笑む。
大丈夫大丈夫、と私は思った。
そうやって言い聞かせた。
お母さんに対する負の感情を、押さえ込むように。
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おはようございます、こんにちは、こんばんは!
作者の狛圦です!
今回、前回よりも更に遅かったですね。ハイ。長らくお待たせいたしました。でもテスト期間だったんです。勘弁してください。ハイ。
そして!閲覧数が3700を超えました!感謝すぎますね。ひとえに皆様のおかげです。ハートも58個、お気に入りも28個!!!! テスト終わって久々にきたら地味に増えてて嬉しい限りです。新作の発表まで、ハートもお気に入りも残り2個です。スポットライトやコメントももちろんお待ちしてます!例え佐久早くんのような回転がかった反応だとしても真正面から受け止めさせて頂きますので!(※自分でも意味わからん)
はい、本作では暗いですね。日向くんもツッキーも、これからどうしていくんでしょう。お気に入りに登録して待っていてくださればと思います!次回もよろしくお願いします!
2026 2 26











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。