二日後、晴れ
空は高く、雲一つない青だった
朝
インターホンが鳴って
ドアを開けると、そこには 先輩 がいた
制服の襟を少し整えて、
片手にはコンビニの袋を持って
少し照れたような笑み
だけどその奥にある表情は、どこか申し訳なさそうで
口ではそう言いながらも、胸の中ではずっと
あの3日間のぽっかり空いた時間が残っていた
食べる相手のいない昼ごはん
行く場所がない放課後
生徒会室に入っても、先輩 がいないという違和感
でも、そんな気持ちを真正面から言葉にするのは
恥ずかしくて
だから遠回しに、こう言った
先輩 はその一言に、ちゃんと気づいたみたいだった
俺は笑いながら、
って返した
学校につくと、
いつも通り 先輩 は俺を教室まで送ってくれた
周りの目線が、いつもよりずっと重かった
生徒会長と一緒に行動してる俺は、
明らかにクラスの中で浮いていた
「 生徒会長と仲良い子でしょ? 」
「 いいなぁ、特別扱いじゃん 」
「 男子からも女子からも人気だしね、先輩 」
ひそひそと囁かれる声は、最初こそ気にならなかった
でも、毎日それが続けばさすがに心が擦れていく
そして、この日
授業の準備をしていた俺は、
教科書がないことに気がついた
違和感
だけど、無くしたのかもしれないと
無理やり納得しようとした
「 誰かが取った 」 なんて考えたくなくて
昼休み
生徒会室に行こうと廊下を歩いていると、
突然背後から呼び止められた
振り返ると、クラスのリーダー的存在の
女子が立っていた
明るくて友達が多く、男子にも女子にも人気がある
そんな子
その子が、俺の耳元でこう囁いた
一瞬、息が止まった
笑っているはずの口元が、まったく笑っていなかった
俺は一歩だけ後ずさりしてしまった
だけど ……
「 頼っていい 」って言ってくれた、
先輩 の顔が浮かんで
俺は何も言わずに振り返り、生徒会室に向かった
先に着いていた 先輩 が、お弁当を広げていた
俺は何もなかったように席につき、ぎこちなく笑った
どこかで、そんな気持ちも渦巻いていた
放課後
今日は生徒会の仕事がなかったから、
俺は教室に残ってぼ ~ っとしていた
すると、またあの女子が現れた
一瞬、ぞっとした
「 何か用ですか? 」
そう答えようとしたとき、彼女が一歩踏み込んできた
この一言で、背中を凍らせられた気がした
冷たい声
突き刺すような目線
でも ……
心の中では、必死にそう叫んでいた
だけど、それを言葉にすることはできなかった
何も言えず、動けず
ただ、彼女の言葉が深く胸に突き刺さって ……
気づけば、俺の手は震えていた












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。