光は闇を照らす、希望の標(しるべ)である。
人類誰しもが光を求めて薪を燃やした。
薪はランプに変わり、
そのうちエジソンが電球を発明し、
いつしか、光は世界中に溢れていく。
そうやって、人々は様々な"光"を求めてきた。
光は、我々を照らすあの太陽が、そしてその太陽を作った、大いなる神々が授けてくれた物だ。そして光は、時々人間の身に降りる事もあるという……。
この物語は、光を求める人類に、新たに降りた2つの光の、葛藤の物語である……。
我らが青い地球。
2023年10月13日に、この星の太平洋の真ん中に、突如大陸が現れた。
その大陸が現れた影響か、各地にモンスターと呼ばれる怪物や、悪魔と呼ばれる異形の物が跋扈するようになり、混乱を生んだ。
その大陸には、悪魔やモンスターに対抗する手段を持った人間達がいた。
彼らは自らを「東京の民」とし、地上の人間達と協力し、悪魔やモンスターに対抗するようになった。
落ち着いた頃、彼らは国を作った。
その国の名は「kun帝国」。
彼らは平和を維持するため、各国の首脳と共に、後に「ガーディアンズ」と呼ばれる組織の枠組みを作った。
ガーディアンズは国を守り、悪魔やモンスター、時には人間を討伐する集団。元々存在していた組織などをこの枠組みに入れ、まとめ上げていった。
そして彼らの台頭により、悪魔やモンスターの脅威、更には戦争の脅威までもが消えていった。
しかし、それは一般人だけの話である。
これらの脅威は、未だに存在する。
彼らガーディアンズは、日夜この脅威と戦い続けている。
そして、今。
「戦争という脅威」が、ガーディアンズを作った大元であるkun帝国から始まらんとしているのだ。
そして、その国で、今日。歴史に新たなページを刻む出来事の序章が、幕を開けようとしていた。
この物語の、2人の主人公の片割れ。桃髪の少年が起こした出来事である。
〜浮遊大陸 kun帝国 追込線列車1号車〜
"……ごめんね。もっとあなたと過ごしていたかったよ……"
"今までありがとね。いつかまた、会えると良いね……"
……んん、夢か。
─────────静かだ。
この列車の車内からは、外の音は聞こえない。そのためかはわからないが、聞こえてくる音といえば特定の人間の会話くらいだ。
今、どこを移動しているのだろう。
俺の乗っている列車は窓が閉じられていて、外は見えないから、何処を移動しているのかもわからない。
今の状況で一つわかるのはこの列車を降りたら、俺はもう帰れないのだという事くらいだ。そう思って乗り込んだのでどうでもいいのだがな。
この列車は、犯罪者や、kun帝国の大統領であるkunに背いた物を追い出す、動く檻。追放者達は飛行機などで外に出るが、そのまま事故を装って殺されるのが殆どだ。
胸糞の悪い話だが、これも昔は犯罪者に対する刑として有効だった。悪用されているだけだ。
俺はこの列車にわざと乗り込み、クーデターを起こすのだ。もちろん1人ではなく、仲間と一緒に、だが。
理由は沢山あるが、取り敢えず、「大切な人を奪われたから」というのが1番の理由である事は伝えておこう。俺はこの帝国に、kunに復讐するだけの理由があるという事は。
前はこういう状況ではえらく緊張したものだが、不思議と俺は冷静だ。きっと今の俺には、成功以外の事が頭にないからなのだろうが。
巡回の兵士が2人、何やら談笑しながら俺と乗客達を見張っている。……この列車に乗っているのは追放される者達。故に帝国の兵士が複数人乗り込み、俺達を監視しているわけだ。
俺はゆっくりと立ち上がり、兵士を睨みつけて見せる。追放者は座ってないといけないので、兵士は慌てて座らせようと向かってくる。
そのタイミングで俺は素早い動きで右脚を振り、兵士の顎を蹴り上げた。兵士は鼻血を噴出しながら上の天井に鈍い音を立てて突き刺さった。腕はだらんとして銃を落としたが、指が動いている所を見ると気絶しただけのようだ。俺はその兵士の銃を拝借し、中の銃弾を抜き取った後、自分の座っていた席の後ろの窓を開けて、外へ投げ捨てた。
もう1人の兵士がこっちに向かって銃を向ける。
俺はそう言って、左手に持った銃弾を一つ右手に持ち替えて、強く握る。すると銃弾の周りを青い光が包み、手を開くと同時に自動的にもう1人の腹に直撃して貫通した。銃弾は後ろの扉に当たり、ポトっと落ちた。もう1人の兵士は腹と頭を抱えながらうずくまった。
兵士はそのまま気絶した。
今のは、世間一般で言う所の「異能力」という物だ。ある者は生まれつき、ある者はきっかけにより習得する、特別な力。俺のは生まれつきの物で、とても使い慣れている。
能力の詳細は……秘密にしておこう。
乗客がざわめきだし、俺に視線を向けた所で、銃声が耳に入ってくる。前の車両───2号車───で戦闘が発生しているようだ。恐らく俺の仲間だろう。
俺はもう1人の兵士のズボンのポケットからカードキーを取り出して奥の扉へ行き、扉の横のセンサーにカードをかざし、奥の扉を開いた。
すると、青い服の青年がこちらへ入ってきた。先程言った仲間の1人、ファマスだ。俺はこいつと2人でこの列車に乗り込んだ。
そうやって話をしていると、前の車両から何人もの兵士がやってくる。
俺の武器……名前をブレイズエッジという。
一見普通の剣だが、柄となる部分の上部分に刃を折り畳んで収納出来るようになっており、収納すると拳銃のような形状になり、銃として扱える。
これを高速で切り替えて臨機応変に戦うのが俺のスタイルだ。
俺達は次の電車へ、扉を通って乗り移る。
そして兵士を斬って撃ち抜いて薙ぎ倒し、どんどん奥へと進んでいく。
何人いようが関係ない。
俺達は、もう止まらないんだ。
電動車の一つ前の車両まで来た。
俺は兵士を2人斬り、ファマスは1人を銃で撃ち抜いた。素早かったからか抵抗はされなかった。
ファマスが運転席へ血で滑りながら走っていったのを確認し、俺は現在地を確認するために、車両の窓を開けた──────────
────────瞬間、脳裏に浮かぶ"映像"。
何かと重なる。
しかし、それが何かわからない。
わかる事は、見えた映像に、確かに─────俺と同じ、桃髪の人間が写っていた事だ。
一抹の不安を抱きながら、
俺は列車に揺られ、窓から外の景色を眺める。
なんだろうと関係ない。
俺は、俺の大切なものを取り返すだけだ。
俺は先程倒した3番目の座席に横たわる兵士の側にある、追放者から没収された携帯が入った袋を取り、開けて自分のスマホを取り出す。
そして、スマホで、とある連絡先へ繋ぐ。
俺の名はビッキー。
帝国でアトラス隊という特殊部隊を率いていた。最高戦力の1人として数えられた時期もあった。でも、昔の経歴など関係は無い。
俺は、ただの1人の反逆者だ。
















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。