それからの少女は、さらに能力を開花させていった
少女は、春が好きだった。
冬の能力に恵まれた彼女には、春の気温が
とても非日常的で、心地よかった。
ポワァ
「とっても綺麗だね」
少年の家系は代々、代行者の護衛官として
代行者のそばに置かれてきた存在だ。
学び舎というものに通っていなかった少女には
同世代の友達はいなかった。
凍蝶九歳、龗月五歳
2人は直ぐに仲良くなった。
その数ヶ月後、龗月の弟である
寒椿 狼星が生誕した。
『やはり、お嬢様が特別なだけです!』
「凍蝶、龗月様はいずれお前の主となるお方だ
くれぐれも、失礼のないように。」
狼星が生まれたあと、少女への周りからの期待は
さらに大きなものとなっていった
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。