銀河鉄道の車内。
与えられた調査資料に目を通し、背もたれに倒れ込んだ。
今回の任務は、東京都内及び周辺地域で発生しているという連続殺害事件だ。
但し、その被害者は人間ではない。
この事件では、多くの“怪異”が殺されている。
発見された死体を調べた結果、殺された怪異達はいずれも撲殺されていることが分かった。
事件を起こした何者かは怪異を殺しながら移動し続けているという。
地図で場所を確認し、周囲を見回す。
調査対象は常に移動を続けているようで、一晩で違う県に移動していたこともあるらしい。
はははっ、と乾いた笑いが漏れる。
案の定、一日探し回っても手掛かりは得られなかった。
午前中から調査を始めたが、既に夕焼けが近くなっている。
諦めて銀河鉄道に乗ろうとしたところで、視界の端に奇妙なものが映った。
細い路地から何かはみ出している。
慌てて駆け寄る。
自分と同い年か、それより年下の少女が道に捨てられた段ボールの上で眠っていた。
灰色のパーカーのフードを目深に被っていて、顔はよく分からない。
少女はぼろぼろだった。
パーカーは少し薄汚れていて、所々破れている。
履いているスニーカーもすり減って随分履き潰されていた。
直接触れないように気を付けながら、少女の肩を揺さぶる。
目を覚ました少女はゆっくりと身体を起こしこちらを見た。
ぼんやりとした表情をしていたが、しばらくすると大きく目を見開く。
ドンッ
いきなり突き飛ばされ尻もちをつく。
少女は物凄い勢いで距離を取り、強張った表情でこちらを見ている。
突然の怒鳴り声にびくりと肩を揺らす。
少女の顔は血の気が引いて青ざめ、目には恐怖の色が浮かんでいた。
呼吸が荒く、手は震えている。
初対面の人物を警戒するにしては、明らかに異常な反応。
少女の口から飛び出した物騒な言葉を慌てて否定する。
少女は訝しげにこちらを見ていたが、ひとまず警戒を解いてくれたらしい。
少女は俯いたまま、小さく頷いた。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。