土曜日。
『...来てしまった。』
私は、日向くんたちのこれからの部活動の運命(?)が決まる3対3の試合を見に来てしまった。
もう吹っ切れたと思っていたけど...やっぱり私は...。
そこで私は首を横に振る。
だからこの事はもう良いんだって!記憶から消すの!
すると、
ダンッ、ダンッ、ダンッ...
ボールが弾んでいるようなリズムの良い音が聞こえた。
せっかく来たんだし...ちょっとくらい見に行こうかな。
私は、惹かれるように体育館に歩いていく。
窓から顔を出し、こっそり中の様子を見る。
そこでは、もう3対3の試合が行われていた。
『わぁ...!』
思わず小さく声が出る。
日向くんと(多分)影山くん。あと...「っしゃあああ!!」...よく叫ぶ人。
相手は...よく見えないや。
やっぱり...お互い強い。
すると、
パシィンッ
『!?』
日向くんとセッターの人が速攻(クイック)を使った。
『凄い...!』
この前日向くんに聞いた話だと、全然スパイク打たせて貰えないはずだったのに...。
周りの部員も驚いている。
結局試合は日向くんのチームの勝ちで幕を閉じた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!