そう、事の始まりは数日前に戻る____
突然の質問に思わず足を止めた。
何で今…??
そう、今は怪獣討伐直後である。
亜白隊長が本獣を撃ち抜き、残りの余獣の生存確認の為辺りを探索している。
そんな中何故私の実家の話になる(
そんな私の思考を読んだのか、「今思いついた単なる興味や。」と付け足した。
そう言う保科副隊長の目は少し開かれていて、
紫色の綺麗な瞳が私の顔を覗いた。
調査という言葉に少し私は身構えた。
何かあの街にあるのかという不安が押し寄せてくる。
そう言われればあの街で怪獣がどうのこうのと言うニュースはこれまで聞いた事がない。
今「気づいたか…」って小声で聞こえたんですけど(
と表向きではこう言ってるが、
多分保科副隊長は事前に私の経歴を全て調べ尽くして、わざわざ私が実家に帰りたいという意思を押し出したタイミングで言ってる。
私の長年の勘がそう言ってる!!
だがそんな事分かっても命令を無視出来る訳でも無く、私はそのまま了承してしまった。
そして時は進み____
現在に至る。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。