鐘の音が俺の体の中を駆け巡り、拘束する。
皮肉のように整った所作で、作間が手を差し出してくる。
昨夜、人を殺したその手で。
俺はその手を無視して王座へ向かう。
ずっしりとした王冠が頭にのせられる。
鎧のような衣が、肩に重くのしかかる。
民がひれ伏し、城中が静まりかえる中、俺は王座に腰を下ろした。
その瞬間、ざわっ、と空気が揺れた。
後方の貴族たちがひそひそとささやき始める。
はしもっちゃんの背筋が一瞬ピンと伸びた。
優斗は口元を引き結び、にやりと笑った。
瑞稀くんは顔を伏せていたが、手元の巻物がわずかに震えている。
作間だけが、いつもと変わらない笑みを浮かべていた。
これも想定内ってことか…。
だけど、もう遅い。
俺はこの玉座から、この世界を壊しにかかる。
革命の始まりは、王として迎えた偽りの即位式だった。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。