第10話

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2025/07/18 14:00 更新
鐘の音が俺の体の中を駆け巡り、拘束する。
瑞稀
ただ今をもちまして、猪狩蒼弥様が正統なる継承権を有し、第七代ノクレヴァ王国国王の座に就かれることを、ここに宣言します。
龍斗
王よ、玉座へお進みください。
皮肉のように整った所作で、作間が手を差し出してくる。
昨夜、人を殺したその手で。
俺はその手を無視して王座へ向かう。




ずっしりとした王冠が頭にのせられる。
鎧のような衣が、肩に重くのしかかる。
民がひれ伏し、城中が静まりかえる中、俺は王座に腰を下ろした。
蒼弥
俺は、この国を“受け継ぐ”つもりはない。
模倣も、傀儡も、興味ない。
俺は俺のやり方で、この国を変える。
その瞬間、ざわっ、と空気が揺れた。
後方の貴族たちがひそひそとささやき始める。

はしもっちゃんの背筋が一瞬ピンと伸びた。
優斗は口元を引き結び、にやりと笑った。

瑞稀くんは顔を伏せていたが、手元の巻物がわずかに震えている。
作間だけが、いつもと変わらない笑みを浮かべていた。
これも想定内ってことか…。
龍斗
王の御言葉、確かに。
では、民の未来に祝福を
だけど、もう遅い。
俺はこの玉座から、この世界を壊しにかかる。
革命の始まりは、王として迎えた偽りの即位式だった。














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