ピロン
LINEの通知音がしんとした部屋の中に響き渡る。
どーせそらからなんだろーな、なんて思いながら
スマホの画面に目を向けると そこには " エイジ " という文字が。
不覚にもとくんと心臓が波を打つ。
いつからだっけな、こんなにエイジにドキドキするようになったの。
と、軽く懐い返しながら慣れた手つきでロックを解除して、
緑色の吹き出しのアイコンをタップする。
既読を付けないようにエイジとのトーク画面を見ると、
という言葉だけがかかれてあった。
あんまり早く既読を付けるのもあれなので、
少し時間を置いてから
とだけいれておいた。
こんな素っ気ない返事で大丈夫だったかな、とか思い悩んでる中
私が待っていた返信は結構早くきた。
1つ返事でOKしてしまったものの、彼とは久しぶりに会うというのもあり、
いくら幼馴染であっても、やっぱり緊張はしてしまうもので。
どの服がいいかな、いつもと同じメイクでいいかな、などと
悩みに悩んだ挙句、張り切ってると思われたくないので
結局いつもと同じような雰囲気の格好で行くことにした。
──
大丈夫、いつも通り。
そう自分に言い聞かせてマンションのインターフォンを押す。
と、思っていたよりも早くオートロックが開く。
部屋の前に着き、1度呼吸を整えてからドアノブに手をかけた。
『 お邪魔します··· 』
聞こえるか聞こえないかくらいの声で放ったその言葉は、
あっという間に静けさの中に吸い込まれてしまった。
あれ、みんないないのかな?
あ、分かった。ドッキリでしょ笑
緊張と、冗談と、そしてちょっぴり不安の混ざった複雑な感情で
リビングのドアを開ける。
と、そこには
「 あ、あなた。久しぶり 」
もうとっくに見慣れてしまった赤髪の姿がひとつ。
あれ、みんなは???
もしかして、ふたりっきり???
てか、なんのためによびだしたの???
聞きたい事は山ほどあるが、平常心を保って。
『 久しぶりだね、エイジ。 』
「 うん 」
そして聞きたいことの1つ目。
『 急に呼び出して、どうかしたの?笑 』
「 いや、あのさ 」
「 いやだったら断って欲しいんだけど 」
「 ディズニー行かない?2人で 」












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。