それから何ヵ月も過ぎ、一学期終盤になった。
学期末になるとテストが多くなる。
この時期になると私はとても憂鬱になる。
それはなぜって────
歌唱テストがあるから……!!!
あれから音楽に関わるなって言われて、全然家でも勉強できていないから、音楽が私の成績の足を引っ張っている。
嫌だな、、
サボりたいな、、、、
そんなこんなでついに音楽の時間になった。
今回は出席番号が遅い順にテストされるから、私は早い方だ。
しかもテストする人だけ個室に連れていかれるから、何も心配はない。
誰にも歌声を聞かれることはない。
それだけでも心の救いだ。
え、
みんなにきかれるってこと!?
それは困る。
下手に歌うしかない……!
どんどん歌唱テストがおわっていく。
次は私の番だ……
ピアノの伴奏が始まる。
♪♪♪♪
なんとか、乗り切ったー
そう言われてすれ違ったその時、、、
橋田が行く手をふさいできた。
え、、、
今まで隠してきたのに
まさかバレた?
いや、先生でも気づいてないのに
平然を装う。
白熱する私たちを他のクラスメートが遠巻きに見ている。
♪♪♪♪
思う存分歌ってやった。
みんな私は歌が下手だと思っていたから顔がすごくビックリしている。
私は勝ち誇ったように言った。
何がバンドのボーカルよ
そんなのすんなりOKするわけないじゃない。















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。