第3話

2話
23
2021/03/14 06:32 更新
それから何ヵ月も過ぎ、一学期終盤になった。
麻莉沙
麻莉沙
あやめ、おはよー
あやめ
あやめ
おはよー
麻莉沙
麻莉沙
そういえば、今日、テスト多いよね
麻莉沙
麻莉沙
歌唱テストに、単語テスト、漢字テストもあるし
あやめ
あやめ
そうだね……
学期末になるとテストが多くなる。
この時期になると私はとても憂鬱ゆううつになる。
それはなぜって────








歌唱テストがあるから……!!!
あれから音楽に関わるなって言われて、全然家でも勉強できていないから、音楽が私の成績の足を引っ張っている。
嫌だな、、
サボりたいな、、、、







そんなこんなでついに音楽の時間になった。
今回は出席番号が遅い順にテストされるから、私は早い方だ。
しかもテストする人だけ個室に連れていかれるから、何も心配はない。
誰にも歌声を聞かれることはない。
それだけでも心の救いだ。
先生
じゃあ、今からテスト始めるからねー
テストする人の次の人はこの椅子で待っててね。
先生
それと、三密を避けるために個室のドアは開けておきます。
え、
みんなにきかれるってこと!?
それは困る。
下手に歌うしかない……!





どんどん歌唱テストがおわっていく。
次は私の番だ……
先生
次、森川さーん
あやめ
あやめ
はい
ピアノの伴奏が始まる。
♪♪♪♪
あやめ
あやめ
らららららららー
先生
はい、オッケーでーす
なんとか、乗り切ったー
先生
次、橋田くーん
そう言われてすれ違ったその時、、、
一樹
一樹
お前さ、わざと下手にうたってるだろ?
橋田が行く手をふさいできた。
え、、、
今まで隠してきたのに
まさかバレた?
いや、先生でも気づいてないのに
あやめ
あやめ
ごめん、私、もともと苦手なんだ
あやめ
あやめ
歌うまそうとか偏見、やめてくれる?
平然を装う。
一樹
一樹
お前、マジで言ってる?
あやめ
あやめ
他に何があるのよ
白熱する私たちを他のクラスメートが遠巻きに見ている。
一樹
一樹
俺の耳、騙せるとでもおもってんの?
あやめ
あやめ
だから、騙すって何!
一樹
一樹
なら、本気で歌ってみろよ
あやめ
あやめ
ええ、歌ってやるわよ
あやめ
あやめ
見てなさいよ
一樹
一樹
楽しみだ
一樹
一樹
先生、もう一度伴奏お願いします
先生
は、はいぃぃぃ
♪♪♪♪
あやめ
あやめ
らーらら、らららららー!
思う存分歌ってやった。
先生
……!?
麻莉沙
麻莉沙
……!?
みんな私は歌が下手だと思っていたから顔がすごくビックリしている。
あやめ
あやめ
どうよ?
私は勝ち誇ったように言った。
一樹
一樹
やっぱり、思った通りだ
一樹
一樹
俺のバンドのボーカルをやってくれ
あやめ
あやめ
却下。
何がバンドのボーカルよ
そんなのすんなりOKするわけないじゃない。

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