青田side
『たっくん』

『私のこと、覚えてる?』
『良かった、私のことなんて忘れて好きな子と幸せになってるんだと思ってた』
『そんな暗い顔しないで、私はたっくんを守るために死んだんだから』
『…もう私から解放されていいんだよ』
『でも、私はもうあなたの辛い顔は見たくない』
『本当に?最近あまり会いに来てくれないじゃん』
『赤坂葉奈子さん?って子のこと気になってるんでしょ?』
『たっくんのこと、ずっと空から見てるから』
『え〜最近結構いい感じな気がするけどな〜』
『…たっくんは私が代わりに死んでも、私の望みを叶えてくれないんだ』
『前に言ったことあると思うけどな〜…たっくんの幸せが私の幸せだって』
『…私はね、たっくんが生きて幸せでいるためにたっくんを庇って死んだんだよ、なのに幸せになる権利はないなんて言わないでよ』
『…あ、ほら見て、赤坂さんがもうすぐ来るみたいだよ』
『…たっくんならきっと大丈夫だよ、頑張れ』


俺は再び目を覚ます。
…なんだ、今のは夢か。
彩姉を亡くしたのも結構前なのに、どうして今更…
俺が眠る前はここにいたけどどこに…
赤坂が、俺が寝ているベッドにもたれて寝ている。
…そっか、ずっとここにいてくれたんだ。
俺は無意識に赤坂の頭を撫でる。
赤坂が跳ね起きる。
寝起きだからか混乱しているみたいだ。
赤坂の顔が真っ赤になっている。
俺はその衝動で胸がいっぱいになる。
赤坂がそう言いながら俯く。
赤坂が再び顔を赤らめる。

さっきの夢…
俺の妄想かもしれないけど…少しは赤坂が俺を意識してくれてるって思っていいのかな…
俺はこの時の赤坂に不審感をあまり抱かなかった。














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!