第61話

61話 語るは真実、伝わるは絶望
6
2024/03/26 11:18
雲が、月を覆っていた
俺の視界は、歪んでいた
インヘアー
インヘアー
な…何…が?
ギルティ
ギルティ
まだ話せるのか
いつの間にか、ギルティもいた
ギルティ
ギルティ
ごめんよ、仮面
ギルティ
ギルティ
俺はY.Uについて行く
インヘアー
インヘアー
他の…やつら…は?
俺は意識が朦朧とする中、問いただす
Y.U
Y.U
シュビュル以外は気絶させた、あいつだけはどうにも無理そうだったからな、能力で動けなくさせてもらった
Y.U
Y.U
そしてお前の能力も使えなくさせている、だから遮断も無くなってシュビュルは今、お前の中にいる
Y.U
Y.U
目の操りも切れた、だから虚でもなくなった
インヘアー
インヘアー
お前…なんで…?
Y.U
Y.U
なら、真実を話そう
Y.U
Y.U
…俺、いや、俺達の正体を
そして、Y.Uは話し始めた
Y.U
Y.U
俺の本当の名前は、Y.Uでも、ナバでもない
Y.U
Y.U
俺も、テラだ
インヘアー
インヘアー
…は?
Y.U
Y.U
俺も、あのクソガキに対して能力を使った
Y.U
Y.U
そして俺もシュビュルに会って、俺自身を殺したように見せた
Y.U
Y.U
そして、カランは親父達に言ったんだろうな
Y.U
Y.U
それを聞いて、シンの妻…絵茉が、能力を発動させた
Y.U
Y.U
あいつの能力…「罰する能力」は、対象の罪さえ知って遠距離でも発動できる
Y.U
Y.U
そしてその罪の重さの基準は、あいつの価値観で決まる
Y.U
Y.U
そしてあいつにとってただの善人を殺すのはいくら償っても償いきれない物だった
Y.U
Y.U
そして俺はそれを知らずに実行した結果、親父に殺された
Y.U
Y.U
そして、その罰が襲いかかった
Y.U
Y.U
俺への罰は、「転生」として別の世界線のテラのもう一つの人格として産まれる
Y.U
Y.U
そして今までもやってきたが、俺の世界線とあそこまで似た世界線は、お前の世界線ぐらいだ
Y.U
Y.U
俺とお前の違い
Y.U
Y.U
それは計画が成功するかの差だ
Y.U
Y.U
そして俺が転生するのはわかってたから、同じ運命を辿るお前の転生先を俺と同じにした
Y.U
Y.U
だから、この世界のテラの中に二つの人格、そしてその片方にはもう一つの人格が現れた
Y.U
Y.U
そして今回、俺はその転生を無くす方法を知った
Y.U
Y.U
それは、別のテラに罪を被せること
Y.U
Y.U
だから俺は、お前を殺す直前に罪を被せ、この世界で生きる
Y.U
Y.U
お前は転生を繰り返す
Y.U
Y.U
つまり
ナバ
ナバ
俺のために死んだくれ、テラ

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