第63話

63話 第二ラウンド
6
2024/03/26 12:24
…俺が目を覚ますと、夜が、明けようとしていた
テラ
テラ
どうなって…?
目の前では、彼と、誰かが攻防戦を繰り広げていた
…彼を、助けなきゃ
咄嗟にそう思った俺は、「幻水龍刀」と掘られた刀を握り、動き出した
テラ
テラ
助けに来たぞ!
そう言ってテラが走ってきた
今の彼は、まるで俺と双子のような見た目をしていた
ナバ
ナバ
二人…か、めんどくさいな
ナバ
ナバ
…これで終わるか
そうナバが言うと、地面が崩れた
テラ
テラ
インヘアー、能力でなんとかならないのか!?
インヘアー
インヘアー
今は能力が封じられてるから使えないんだ!
テラ
テラ
なら…俺の能力、解放する能力で使えるようにするから頼む
インヘアー
インヘアー
わかった、サンキューな!
そして俺は能力を発動し、俺とテラへの衝撃を遮断し、落下の痛みを防いだ
そして俺も能力を発動し、瓦礫を操ってナバに飛ばす
ナバ
ナバ
まさか無機物にも使えるようになったとはな!
そう言ってナバは能力で全て防いだ
そしてナバは、ナイフを構え、投げる
そしてそれは俺達に降り注ぐ
俺は能力でそれを防ぐ
ナバ
ナバ
てか能力が使えるようになったのか…
ナバ
ナバ
封じろ
俺はなんとなくナバが能力を使う気がしたので、耳を塞いでいた
しかしそうではないテラは喰らってしまった
テラ
テラ
能力が…使えない!?
ナバ
ナバ
なら飛べ
ナバがそう言うと、指先から突風が吹き、テラは吹っ飛んだ
俺はその隙を見計らって、叫んだと同時に、ナバも叫んでいた
インヘアー
インヘアー
封じろ!
ナバ
ナバ
もう一度封じろ!
ナバは警戒してもう一度言ったのだろう
同時に発動したため、お互いに能力が使えなくなった
…もう、ここで終わらせる
俺はそう思い、ナバに向かって走り出した
それは、ナバも一緒だった
そして、そして、そして…
赤い鮮血が、飛び散った
それと同時に、俺は暖かいものに包まれた
その温もりは、人の温もりだ
つまり
つまり、つまり…
インヘアー
インヘアー
なあ…なんでナイフを捨ててるんだよ…
俺は、涙を流しながら
声を、震わせながら
手の震えを、抑えながら
叫んだ
インヘアー
インヘアー
ナバ!

プリ小説オーディオドラマ