今日は 、総司に見に来てくれと言われた剣道大会の日だった 。
準備をして外に出ると 、総司が竹刀袋を持って立っていた 。
私達は家が隣だ 、総司は私が来るのを待っていたらしい 。
だが今日の総司は髪を結んでいない 。
そう言って私が渡した髪紐を突き出してくる 。
とりあえず総司を私の家の玄関に入れて 、そこに座らせた 。
軽く梳いてから 、髪をまとめる 。
眩しすぎるくらいの笑顔を向けてくる総司 。
言いたいことって 、やっぱり ……
絶対無いと分かっていても 、期待してしまう 。
まだ全然時間はあるけれど 、熱くなった顔を見られたくなくて目を逸らした 。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。