第14話

# 12
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2024/05/12 09:00

私と総司は幼馴染で 、ずっと昔から一緒にいる 。

初めて会ったのは清水寺だった 。



私は初めて清水寺に来た時 、お母さんとはぐれて迷子になってしまった 。

あなた
 っぅ 、ままぁ〜 ! 

泣いて叫んでも 、人が多すぎて全く届かない 。

そんなとき 、私に話しかけてくれたのが総司だった 。

沖田総司
 どないしたん ? まいごか ? 

あなた
 ぇ …… ? 

沖田総司
 オレ 、沖田総司や ! 

沖田総司
 いっしょにおかんさがしたるから 、もう泣くなや ! 

そう言って笑った彼は 、私の手を取る 。

そして私の手を優しく引いて一緒にお母さんを探してくれた 。

だけど 、とても混んでいるのと広いのが原因で見つからない 。

あなた
 まま …… 

沖田総司
 なまえ 、何て言うん ? 

あなた
 あなた …… だよ 

沖田総司
 あなたちゃんか ! ええなまえやん ! 

そう言われて顔を上げる 。

沖田総司
 …… 下向いとらんとよお見てみ 、こっからの景色きれいなんやで 

そう言われて俯いていた顔を上げると 、綺麗な紅葉と清水の舞台が見えた 。

あなた
 ほんとだ …… 

その景色に感動して 、2人で手を繋いだまま眺めていた 。

.
 あなたー ? 

沖田総司
 おっ 、見つけたんとちゃう ? 

あなた
 ぁっ 、まま ! 

沖田総司
 ほな 、オレもおかんのとこ戻らんと 

あなた
 っ 、おおきに ! 

沖田総司
 またな ! 

その夕日に照らされた笑顔から目が離せなくて 、後ろ姿が見えなくなるまで見つめていた 。



思えばあの日から 、私は総司のことが好きだったのだろう 。

あの日総司と見た景色は特別で 、今でも鮮明に覚えている 。



来週のアニコナも楽しみすぎる🫶

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