借りたお部屋に荷物を置きリビングに
降りると、ぴくとさんがお茶を注いで
待っていた 。 私が降りてきた事に気付いた
ぴくとさんは、リビングの椅子をひき、
『 どうぞ 。 』 と 席を開けてくれる 。
庶民は王宮の様な作法を知らぬ無礼者
と母から教わっていたので、礼儀がなっている
彼に少し驚いた。
私はぴくとさんが空けてくれた椅子に着く。
ぴくとさんも私を見て少し驚いた様子だった。
何か間違っていただろうか。
なんて思っていると、ぴくとさんは話を始めた。
矢張り正体はバレていた 。
ここで誤魔化す事も出来ないので、
その間真実を話すのが吉 と 考える 。
矢張りとても不思議がっているのか、
話の詰め方が明らかすぎる。
こう言う時、もっと敬意を払いながら
話すものではないのか 。
…… まあ、動揺する気持ちは分かるので
何も言わないが 。
私はどうやら、少し人より人間観察力
が長けているらしく
彼の言葉や行動を見ている限り、
私に悪意、敵意を抱いてい無い事が分かる
ので、包み隠さず事の経緯を話した。
間を空けてそう言う 。
嘘だ。
彼の礼儀作法はとても慣れた手つきで行っていた。
母の言う事が正しければ、
王宮に使えた事が無ければ知り得ぬ技術が所々有る。
私は王宮と縁を切るつもりだ。
なので少しでも縁があるものとは
関わり合いになりたくない。
包み隠さず答えて貰おう。
そう丁寧に問うと、彼は驚いた表情を
しながら此方を見る。
図星をつかれたか、それとも試されていたのか。
まあどちらにせよ、何も知らないは
許されない答え。何かしら口を
割って欲しいところだ。
1番最悪なパターンだ。
真逆裏で情報屋を雇っていたなんて。
私の事をバラし王宮に連れ戻される可能性大。
嫌々言いながらも私をこき使うのが
大好きな両親は、きっと私を嫌な意味で
必要としている。見つけたら戻さない訳が無い。
不味い。家に入った迄が彼の策略だったか。
なんでお家にあがっちゃったの!!!!
私のばか !!!!!!
人間の扱い は 得意だ。
欲望に塗れた 人間 や 対象に殺意を
抱いている者は 扱い易い。 両親とかね。
強い口調を混ぜて、
上手く相手の思惑に添う様に話す 。
生憎、両親達のお陰で空気読みは 得意になった。
それら を 上手く利用して何とか逃げ切りたい。
私の発言が余りにも想定外だったのか
彼は私を全力で止める。
何か間違った事を言ってしまったかな。
と思っていると、彼はため息を零した。
頭を抱え そう言う ピクトさん 。
彼は一息つき 、 また口を開いた。
そう言い彼は 丁寧な口調で
また 話 を 始めた。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!